都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

偽史日本伝

織田信長オールナイトニッポンをご存知でしょうか?

モノマネ芸人である松村邦洋が、ビートたけしの声色で、織田信長になりきって本能寺から放送するという設定です。

https://www.youtube.com/watch?v=a2d4fKERLjk

史実に基づいて歴史を振り返るんだけど、織田信長ビートたけしに乗り移ってサラッと武将たちの悪口を言うマシンガントークと合間に挟む「なんか焦げ臭いな」のト書きみたいなセリフが絶妙で、素晴らしい作品に仕上がっています。

 

清水義範の『偽史日本伝』(集英社)は、日本史の中から謎の多い部分を抽出し、独自の解釈を加えて創作した昨今のNHK制作スタッフが喜びそうな短編集です。

例えば、邪馬台国は一つでなく、同じ名前の国がたくさん存在していたとか、源義経は弁慶のなりすましで、本当は弁慶が義経だったとか、挙げ句の果ては、坂本龍馬が近江屋の二階で京都見廻組に襲われたのを未来からやって来た田原峰太郎に助けられるという…田原峰太郎ってシュワルツネッガーのことらしい。田原総一郎じゃなくて、ターミネーター。ウマいねぇ、芸人になればいいのに。いや、真面目な人は怒り出しそうだけど、発想の飛ばし方が尋常ではありません。こういうの、どのくらいの時間で書き上げるんでしょうね? 天才だと思います。ただし、大化改新とか南北朝とか徳川御三家とか、私の方の歴史知識が追いついていない部分が多くて、評価は80点です。スミマセン。