都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

蓬莱

紀元前221年、秦の始皇帝は中国史上初めて天下統一を果たしたと言われています。

始皇帝は天下統一を実質的なものとするため、全国に郡県制を施行し、中央集権化を実現しました。同時に、民間からの武器の没収、度量衡・車軌・書体・貨幣の統一、そして思想や言論の統制を目的とした「焚書坑儒」などの政策を次々と打ち出します。

また、全国から人民を徴集し、大宮殿「阿房宮」、運河、万里の長城の大造営に当たらせたことでも知られています。

まさに、皇帝の始まり。

そんな始皇帝がひとつだけ怖れていたのが「死」でした。不老不死の薬を追い求め、莫大な費用をつぎ込みます。そこへつけ込む不逞の輩もいたようで…「徐福伝説」というのがあります。東方の三神山に長生不老の霊薬があるとして、3,000人の若い男女と多くの技術者を従えつつ、巨額の財宝も与えられて、日本へ向かったとする壮大な詐欺話です。

徐福なる人物が実在したかどうか、定かではありませんが、天皇のルーツだとする説も少数ながら日中両国で根強く残されています。

 

という話をベースに組み立てられたのが『蓬莱』(今野敏著・講談社文庫)です。蓬莱というのは、東方三神山の一つで富士山のことを指すようです。作中では、ゲームソフトの名前。これの開発をめぐって、ストーリーが展開しますが、ちょっとマニアック過ぎて、ゲームをやらない私にはついていくのが難しかったです。大事件へと発展する動機を考えると、バランスがおかしいんじゃないかと疑問でして…80点かな?