やってみせて言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば人は動かじ
これは、山本五十六が残したとされる言葉です。
小さいころ、祖母から聞かされたのが、未だに耳に残っています。語呂がいいから。
なので、よく分からないままに、山本五十六は偉い人なんだと思い込んでいました。
太平洋戦争時の連合艦隊司令長官。
戦争の是非は別として、戦争マンガなんかでも好意的に描かれていたように思います。
ところが、生出寿氏の『勝つ司令部 負ける司令部』(新人物文庫)ではボロクソでした。
なるほど、負け戦だったわけですから、指揮官の責任は重い。
だけど、そういう作戦面よりも、部隊が各地で苦戦しているさなか、将棋を指していたとか、ご馳走を食べていたとか、愛人に手紙をしたためていたとか、そんな話がぞろぞろと。
こういうのって、聞かされるとイヤですね、やっぱり。
反対に評価が高いのが、東郷平八郎。
こちらは仕事一筋という感じで、部下が働きやすいように心を配った様子が窺えます。
結果論とも言えますが、軍事戦略というものは、点で捉えるのではなくて、面で考えるべきだというのが何となく分かりました。
つまり、一人で何でも背負い込まないってこと。
組織が大きくなればなるほど、そういうものです。
逆に言えば、うまくいっている組織はナンバー2が光りだします。
それが、バロメーターになるってことを学びました。