理詰めでモノを考えている人からすれば、ボーッとして生きている人を見ると、不思議で仕方ありません。
ましてや、自分の生活の糧である仕事上のことで、こだわりがない素直な態度でいられると情けなくなるーそれが、ボヤキの正体です。
普通に考えれば、素直に認めているんだからいいじゃないかとなるんだけど、野村監督はそうじゃない。
考えていないことを責めるのです。
それって、そういう習慣がない人にとっては、肉体的な欠陥を指摘されているような気持ちになるらしい。使ってないから、サビてますからね。動かない。
だけど、それは生活習慣なので、絶対に治るものだというのがID野球の意味するところです。
二宮清純氏の『野村克也 知略と戦略』(PHP研究所)には、そうした気づきの話が満載です。
中でも、「人間として最大の悪は何か。それは鈍感であることです」の一文が心に刺さりました。
「今年は頑張るぞ」じゃなくて、「進歩するために何を変える」と具体的に考えるべきとも。
それは、ちょっとした違いに敏感であるかどうかってことだと言います。
そうですよね。
小さなことに気をつけるなら、改善ポイントはいくらでもある。
そのことを知っている人は、いくらでもアイデアが生まれるのであります。