独走する理由③
田中広輔が一番打者として固定されたことで、キクマルへとつづく上位打線が確立しました。 これは、打率が高いだけでなく、スピードがあって、パンチ力もある。だから、相手投手は調子の上がらない初回から、大量点を覚悟しなければいけません。 そして、繋ぐ四番のルナ。 ずんぐりむっくりの体躯からは想像がつかないのですが、実は昨年の盗塁数が11個もあり、失敗はゼロ。今年も4盗塁を記録していて、刺されたことはありません。意識高い系です。 これはイヤですね。相手のスキを見逃さない選手。その結果、打者への集中力をそがれるわけであります。 新井やエルドレッドは、もともと全力疾走に手を抜かないタイプだったことに加え、三拍子揃った鈴木誠也の台頭です。かくして、どこからでも走る機動力野球が完成しました。 《球団別盗塁数》 盗塁 失敗 成功率 広島 77 25 75.5% ヤクルト 51 16 76.1% 阪神 44 17 72.1% 横浜 38 22 63.3% 巨人 31 13 70.5% 中日 31 15 67.4% (前半戦終了時) 盗塁の多い少ないは、単純にチャンスを広げているだけでなく、相手バッテリーにプレッシャーを与え、集中力を削ぐ効果があるのです。 走塁にスランプなしといいますが、カープの快進撃は続くものと思われます。 (つづく)