都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

芸名

私の通っていた高校は、いわゆる附属高校で大学に繋がっていました。
エレベータなんて言われますが、ホントはエスカレータ。だって、学年で40人くらいが落第しますから。クラスで下のほうにいると、結構ドキドキします。
そうは言っても、余程のことがない限り、大丈夫です。留年するのは、余程の人たちでした。勉強しないにもほどがあるって人たち。

多感な時期に受験がないというのは、素晴らしい。
なので、多くの人は恋をします。凝りに凝った趣味に走ります。スポーツします。ギャンブルをします。
高2のとき、一歳上のクラスメートであるワタナベさんは、毎週、私に大穴の馬券を一攫千金だと奨め、買ってきてやると巻き上げたお金を自由に使っていたようです。いわゆる“ノミ行為”ですね。

「惜しいな、ワカバヤシ、惜しい」

高校ではアルファベット順に座席が並ぶので、ワタナベ運が悪いと、そんな目に遭うのもまた人生です。
騙されていると分かりつつも競馬予想は刺激的で、「当たったらどうするのだろう?」と毎週それなりに楽しんでいました。

このころ、競馬以外(?)の楽しみといえば、もちろん将棋でした。何せ受験ナシなので、朝から晩までやり放題。部内で闘うのに飽き足らず、近隣の高校に手紙を送りまくって、対外試合のスケジュールを埋めることに喜びを見出しておりました。ヒマですからね。とにかく、勝ちたくってしょうがない。そのために、戦いを挑み続けるわけです。

高校ぐらいで将棋をやる男というのは、ズボラな人間が多いです。基本的に女性にモテませんから、自分から仕掛けるという発想がない。だけど、勝負するのは好きなので、私らの誘いにはほとんどが乗ってきます。
かくして、我が将棋部は、毎週のように対外試合を控えておりました。練習よりも試合好き。なんか、浅いんだなぁ、快楽主義。貯金する前に使っちゃうタイプ。

当時、レギュラーメンバーは、強い順に、クワタ・エンドウ・ワカバヤシ・ナカハラ・ミケでした。
ミケというのは、三つの毛と書いて三毛。珍しい名前です。
だけど、そういう名前についても議論を深めるのが我が部の伝統でもあるのです。

「メンバー交換したとき、ミケって名前はどうよ?」
   「うん、相手にナメられてる気がする」「いかにも弱そうだ、オバQじゃあるまいし」
「その点、ナカハラはいいよな。名前で勝てる(作者註:当時、名人は中原誠でした)」
   「背も高いし」「うん、顔も渋い」
「分かった、変えよう名前。どうせわかんないんだから」
   「賛成。オオヤマがいいんじゃないか?」「マスダも捨てがたい」(作者註:大山・升田のこと)
「いや、それじゃ、わざとらしい。…アリヨシにしよう。今日からお前は有吉」
(作者註:有吉道夫九段に倣ったもの。大山永世名人の弟子で、やはり当時のトッププロ)

クワタやエンドウ・ワカバヤシなんていう名前もプロ棋士には存在しないけど、それらには手をつけず、ミケだけの改名。いいんですかね、高校生らしくないこの態度。
三毛もねぇ、やだって言えよ。言いませんでした。

でもって、本当にその名前で参戦。
嬉しくなって、対局中に意味もなく名前を呼んだりします。

「オイ、アリヨシ。時計持ってきたか?」
「アリヨシ、どうだった?」
「アリヨシ…なんでもない」

全くバカな子たちでありました。


本日は、白身のトロとも言われる新鮮なノドグロ(ムツ)を手に入れました。
ご来店をお待ちしております。

「とれたて刺身定食」(750円)
ヤズ・ノドグロ・ダルマ・タチウオ
「思いっきり刺身定食」(1,000円)
マダイ・サザエ・スズキ・ヒラマサ・ケンサキイカノドグロ・タチウオ
「ゴキゲン刺身定食」(1,500円)
上記プラスウニ・アワビ・甘エビ