都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

友を選ばば、書を読みて

高校時代、将棋部の仲間に某有名作家の息子・R介がおりました。
当時、父親がバラエティ番組のレギュラーを持っていることもあって、注目度が高く、部内では“七光流”(将棋指しは、その棋風を指して○○流と呼ばれることが多い。業界用語)と呼ばれておりましたが、どうしてどうしてその才能も群を抜いていたのです。
成績こそ、どうってことなかったけれど、持っている言葉の量が潤沢で、選び方のセンスが違う。
こういうのをインテリって言うんだろうなぁと同級生ながら密かに尊敬しておりました。

やっぱり、本を読まねば成長がありません。
それに、付き合う人間もいろんな世界に拡がっているほうがいい。
価値観の多様化こそが、人間を大きくするのだとこのとき学びました。

R介は、同じことの繰り返しを嫌い、遊びのネタもいろいろ仕入れては、みんなを刺激します。
今でも忘れないのは、“モノマネ”ならぬ“文マネ”です。
たとえば、川端康成の「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」の一節をいろんな作家に変えて、個性を吹き込んでいくというもの。
私には、とても真似できませんでしたが、彼はそれを永六輔だ、五木寛之だ、宇能鴻一郎(?)だと次々に変えてみせるのです。
スゴイでしょう?これを笑うためには、こちらも勉強してないとダメなんだけど。
ほとんど将棋も指さずに、誰かが面白いことを考えてくる部内の暗黙のルールが刺激的でした。

「試験だからと言って急に勉強しだすのは、人としてどうかと思う」

中間・期末の定期試験前にどれだけ勉強せずに過ごせるかの我慢比べ(?)もR介(ほかの誰もそんなバカなことはしない)との懐かしい思い出です。成績が悪いとき、言い訳できますからね。ヘンなの??


このR介には、家庭教師がついていました。
もちろん、勉強のじゃありません。

将棋です。将棋の家庭教師。
加藤一二三というプロ棋士が、月に二度ほど、お稽古に来てくれたんだとか。

言っておきますけど、これは常識外れです。
野球で言えば、ダルビッシュがピッチングを教えに来るようなもの。
ないでしょう、そんなこと。
将棋を指す一人の高校生が現役バリバリのプロ棋士に定期的に教わるなんて、あるハズありません。

でも、あったのです、ホントの話。
変わってますね、R介の親。
その成果もあって、R介は高校将棋神奈川県大会で優勝。県代表として白樺湖で行われた夏の全国大会にも出場したのでありました。ズルイねぇ、ダルビッシュをコーチにつけて。
いえ、羨ましい限りでありました。神武以来の天才と言われた加藤一二三先生の稽古。


だけど、相当、変わっていたようです、加藤先生。
素人相手でも手を緩めない。R介とは平手(ハンデなし)で戦っていたとのこと。
そして、長考もハンパじゃない、素人相手なのに。
咳払い、喋り方、駒を特別強く打ち付ける…すべて同じらしい。


でもって、このたび捨て猫エサやり裁判に。
久しぶりにワイドショーに出まくってたけど、先生変わってますからね~、ゴミ屋敷の住人みたいに扱われてました。
誤解のないようにお願いします。プロ棋士のほとんどはフツーの人ですよ。
この人は、業界の中でも異端の人。超変わり者なのであります、念のため。


それにしても、加藤一二三九段って、一体何段なのでしょう?