菊川という町は、別名「小日本(こにっぽん)」と呼ばれています。(呼んでいます?)
何故かといえば、こんな昔話があるのです。
その昔、杢路子(むくろじ)という山奥の村で暮らしていた子供が、生まれて初めて旅をしたとき に、途中、貴飯峠から菊川盆地の景色を見て感動し「父上!なんたて日本チュウても広いのゥ、コネ エな広いところもあるんかいのゥ」と言いました。父親は、息子のことばにとまどいながらも、杢路 子の村しか知らないわが子を笑うわけにもいきません。「ばかたれェ。それじゃケェ、おれがゆうた ろうがョ、ものを知らんにもほどがあラァ。人前でめったなことをいうと大はじをかくンぞ。ニッポ ンちゅうもんはこの10倍ぐらいある。ようおぼえチョケ」と教えてやりました。それを聞いて、息 子は、「父上!そんならここァ小日本でガンするなァ」と切り返しました。
この父子の貴飯峠でのはなしは、その日お供をしたものの口から、いつのまにか世間に広まってい き、だれとはなく、現在の菊川盆地一帯を「小日本」と呼ぶようになったとさ。
なんか、無理矢理な感じがしますが、実際、町のあちこちに「小日本」という名前を使った看板を目にします。
それが、全国的にちっとも知られていないのもまた…きくがわは受身なのであります!?