アントニオ猪木は、対戦する相手が無名の外国人レスラーの場合、たくさんの技を受けることから試合を始めます。
まず、相手のいいところをたくさん見せておく。
だから、最初はやられっぱなしです。「あれ、大丈夫かな?」そう思わせておいて、やおら反撃に出る。その強いこと、強いこと。
つまり、相手の力が10だとして、オレはもっと強い12だぞと。3の実力にしか見えない相手に勝ったとしても、猪木の強さは伝わりません。そりゃあ、相手が弱いからねぇとなってしまうってことです。
プロレスが面白いのは、ワンサイドゲームがないからです。必ず接戦になるので、興奮するという仕掛けです。
そういうのを八百長だという人がいるけど、それは視点が違う。勝ち負けじゃなくて、鍛え上げられた身体の強さを見るのが通というものです。
試合中の「10分経過」のアナウンスを合図に、バタバタと決着がつく。それこそが興行なのであります。施設の撤収時間は10時までだったりしますからね。
プロ野球はここのところが問題で、台本がないから、段取りが悪い。放っておくと、終電なくなったりします。それはダメでしょう。
点差が開いた試合というのも緊張感がなくて味気ないものですよ。いくらファンだって、弱すぎる相手は正視に堪えません。
今年のカープは、93試合を闘って、5点以上差がついたゲームが32試合で13勝19敗。
ちなみに昨年の5点差ゲームは、シーズン143試合中33試合の17勝16敗。
この数字こそが、ファンのストレスの源なのであります。
いやぁ、よくありませんね、興行的に。こんなことを繰り返していると、お客さんが離れていくのは時間の問題です。
だからと言って、まさか台本を書くわけにはいきませんから、ルールの見直しを考えた方が良いように思います。
イニング数を7回までにして、延長戦は無制限ってのが私の改革案なんだけど、どうでしょう?