10年ぐらい前の話ですが、ア・カペラグループ『トライトーン』のイベントを企画・運営する仕事をやっていました。
保険会社時代からの繋がりで、その音楽性やエンターテイメントの楽しさに魅了されてのもので、それはもう楽しかったです。
トライトーンはゴスペラーズと同じく、早稲田大学のサークルから発展したユニットで、学生の間では、“神”扱いされていたほどです。
メンバー全員がそれぞれにボーカルをこなす歌の上手さはもちろんのこと、アレンジもできるので、どんな条件をもこなしてしまうユーティリティ振りでした。
おそらく、レパートリーは1,000曲以上あったと思います。掛ける5なので、なんだってできちゃいました。
『たけしの誰でもピカソ』で山口百恵の特集でそのメドレーをアレンジして披露したとき、宇崎竜童がため息混じりで「凄いね!」と呟いたのが忘れられません。
東京ドームで行われたプレーオフセレモニーのア・カペラによる『君が代』は、他に聴いたことがないアレンジで、見事なものでした。
そんなア・カペラ好きな私は、ネプチューンが司会する『ハモネプ』を今ひとつ好きになれずにいます。
それは、ボイスパーカッションで大騒ぎするからです。
なんか、オーケストラのシンバル演奏に注目している感じ。ア・カペラの本質とは関係ありません。
あくまでも音楽なので、ハーモニーに注目したいのです。
もう一つ、基本的にボーカルは声がキレイじゃないとね。一人で歌ったとしても充分スゴいグループが、ハーモライズしているところに魅力を感じるのです。独唱する主役が目立ちすぎてはダメ。グループでまとめ上げるところにア・カペラの良さがあるのです。
先日の大会では、横浜国立大学の“夜にワルツ”というグループが、宇多田ヒカルの『Automatic』を三〜五拍子にアレンジを加えて優勝しました。
このチームのアレンジ能力は秀逸で、選曲も見事にハマっています。→https://www.youtube.com/watch?v=r8WZucZBhAE
宇多田ヒカルの曲は、元々がチェンジオブペースなので、ボサノバやワルツにハマりやすいのです。
音程が上下に跳ねるので、安定させるのが難しいんだけど、ベースの人が上手に支えていて安定感を演出していました。
いやー、素晴らしい。プロにならないのかねぇ?また、応援したくなりました。