1946年11月、内閣告示により、使用頻度の高い1,850の漢字が「当用漢字」と指定されました。
言語政策というのは、国家が政治的統一や支配を進めていく上でのベースとなるため、GHQの介入もあったといいます。
そのとき漢字廃止という強硬論もありましたが、全国調査で日本人の識字率が高いことがわかり、踏み止まったようです。
その後、1981年に1,945字からなる「常用漢字」と名称が変わり、2010年にはそれが2,136字となりました。義務教育で習得するべき字数です。
小学六年間に習う1,026字は「教育漢字」と呼ばれています。
ちょっと前のこと、ベトナム人に日本語を教えていたとき、毎日日誌を書かせておりましたが、彼らの文章のほとんどが平仮名なので、読むのに苦労したのを思い出します。英文を読んでいるのにも似て、表意文字があるとないとでは、理解するスピードが大きく違ってくるのです。
2/11のブログで『逆転美人』の文章に違和感があったと書いたのは、ほとんどが教育漢字で収まっていたからだとハタと気づきました。
そうか、賢い人は漢字で話し、そうでない人は平仮名で話すんだと。
国語力の違いが語彙の違いだとするならば、やはり漢字の学習に手を抜いてはいけないのであります。
(つづく)