都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

沈む葬儀ビジネス

3年に及ぶコロナ禍で、最も影響を受けたのは、イベント産業でしょう。

あってもなくてもいいんだけれど、世間の手前、やらなくちゃいけない程度のものならば、やらない方がいい。

その代表格が、結婚披露宴であり、葬式関連のビジネスです。

結婚式については、少子化の影響と非婚化の問題もあります。ごく近しい家族だけで、食事会みたいに行うのも増えているし、二人きりでハワイで挙式という端折った形も今風らしい。

葬儀の場合、元々が必要性を感じていたわけでなく、親戚やご近所、あるいは仕事関係の同調圧力で、義務的に行われていたようなところがありました。そこは、お坊さんたちの財源でもあって、戒名などという仕入れが存在しないにも関わらず乱暴な値付けが行われます。

そこへ来て、コロナの登場は、顧客に口実を与える力強い味方となりました。

それまでは、できる限りの見栄を張るのが常識であり、死者へのはなむけであったのですが、家族葬という新しい形が浸透して、一気に葬儀の規模が小さくなったのです。参列者が少ないほど、派手に行う必要がなくなりますからね。

かくして、業界における旧来の手法は通用しなくなりました。

そして、それに関連するビジネスにも影響が出ます。通夜振る舞いみたいなのもなくなるし、花屋だって注文が薄くなる。

ダンピングがあちこちで行われ、葬儀の見積もりは、低く抑えるための自社独自、あるいは担当者の裁量で行なっているように見せかける心理戦が横行しているのです。それって引越し業界の手法に似ています。いやぁ、おそるべしデフレ経済。努力を怠って、ボーッと見ているだけだと、どんどん切り捨てられていくんですね。怖い怖い。

その背景としては、火葬場の不足があります。都会においては、死亡者が増えているのに、それを処理する火葬場が従前通りですからね。なので、都会では待機遺体が慢性的に渋滞しているんです。それは、葬儀が行われるまでの準備が長くなるということ。見積もり比較的な考えは、新しいんです。ネット社会も後押ししているのかもしれません。だから、引越し業界に似てきたんだと睨んでいます。

客単価が低くなると、数をこなさなければならないので、働き方改革とは逆行しているのが葬儀業界でありましょう。歩合の訳ないもんなぁ。

世の中、厳しいねぇ。