引越し業界は、日通・ヤマト・アート・サカイの4社による寡占状態になっています。
短距離の移動はともかくも、山口県から関東エリアみたいな大がかりのものは、荷物を運んだ後の帰りの足をどうするかが値引きの根拠となるため、中小には手が出しにくくなっています。
加えて、季節の問題。
繁忙期が集中するため、アルバイトの手配が難しく、これをどうやって解決するかは、頭の痛いところなのです。
大人数で効率を上げると、時給にならないし、少人数で懸命に頑張れば、顧客からクレームが起きる。
地雷は、たくさん埋まっています。
モノが無くなった、壊れた、積み残した、間に合わなかった、態度が悪かった…etc。
だから、教育が重要なんだけど、なかなか余裕がない。
隠して、教育のベクトルは、顧客へと向かいます。
「勉強しまっせ」は「勉強させまっせ」へ。
たとえば、入口でアルコール消毒しろとか、間を空けろとか、ゴミはここへ捨てろとか、いつの間にか、業者へ寄せている顧客がいたりもします。
なるほど、アルバイトへ徹底を図るよりも、顧客の理解レベルを上げた方がいいと考えたようですね。この辺り、心理学が詰まっていそうです。バイトリーダーは、マニュアルを叩き込まれるのみで、深くは考えていないけれど。うーん、仕組みですよ、仕組み。
いつのまにか、手なづけられておりました。
今回の引越しは、アートから変えて、サカイに。業界ナンバーワンのお手並み拝見といたしました。
心理学の出発点は、最初にやってきた営業マンの言動にあります。
見積もりをあからさまに多めに提示し、そこからこそこそ携帯でお伺いを立てながら、自分は顧客のために最善を尽くしているのアピール。
なんのことはない、あっという間に10万円以上が、コストダウンしました。
元が高いんだから、こんなのは簡単です。だけど、演じるのが顧客の味方。で、会話しながら、たくさんの言葉を引き出します。
そして、安くなる根拠を探し当てて、一緒に喜び合う図式。
スゴいね、これがサカイの勉強商法であります。
作業担当者は、作業の中での現場OJTを。おそらくは、顧客の言葉を拾って技を返すってのが、あるんでしょうね。そんな気がしました。
働き方改革の影響もあるんでしょうが、引っ越しの市場規模は、年々減少して5,000億円ぐらいだとか。
そこからの奪い合いですが、ペリカンさんは、法人移動へシフトチェンジしたので、宅配便志向のクロネコも外し、今後はアートとサカイの一騎討ちとなりそうです。
そこへ来て、ナンバーワンは自分たちだのアピールCMで援護射撃。100人乗っても大丈夫的な匂いを感じます。
コロナ禍で、ますます少なくなりそうなお引越し。いろんなことを考えているんだろうなぁ?
これがサカイの勉強商法。