都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

白銀ジャック

ロンドンへ旅行したとき、携行した単行本が『超音速漂流』(T.ブロック著・文春文庫)です。
これは、航空機パニックもので、著者が現役パイロットによるものだけに迫力満点。
十二時間の狭い空間における旅が、グーンと楽しいものになりました。
つまり、本を読むシチュエーションは、フィクションとの間をいったりきたりできるような環境が望ましいってことです。
そういう話をそういう場所で読んでいると、キャビンアテンダントの見え方まで変わってくるのであります。乗客もね。

だから、旅に出るときは、その土地に関係する歴史ものだったり、時刻表サスペンスだったりを心がけております。これ、椎名誠のエッセイに、そんな楽しみ方があると書かれておりました。


ここのところ、寒波到来で雪模様が続いたので、ゲレンデを舞台にしたサスペンスはいかがでしょうか?
お馴染み東野圭吾の『白銀ジャック』(実業之日本社文庫)です。
リゾート開発会社が経営するゲレンデに、爆発物を仕掛けたとの脅迫状が届いたところから、物語は始まります。
例年になく順調な積雪で、たくさんのスキー客を見込んでいた会社サイドは、スキー場封鎖なんて、とんでもない。
そこで、犯人の取引に応じ、リフトマネージャーとゲレンデパトロールが活躍するという展開。
高校卒業時の長い春休みに志賀高原のリフト小屋で一ヶ月以上のアルバイトをした私にとって、索道(リフトのこと)という言葉が懐かしく、また、目茶苦茶カッコよかったパトロール隊を思い出し、いろんな光景が胸に迫ってまいりました。
それにしても、多筆の東野氏は、どうやって取材しているのでありましょう。
何でも知ってるんだなぁと驚きです。

国際大会に出場するレベルの選手による疾走感は、なんともいえません。
これが、文章力ってことなんでしょうけど、ストーリーの流れと合わせ、圧倒的なスケールをイメージさせてくれるのです。
全412ページ、あっという間でした。
オススメの一冊です。