生まれてから一度もウソをついたことがない私が、ウスをついたのが、震災炊き出しボランティアの一回目でありました。
JCの仲間が選んだ先は、神戸市須磨区。
震災発生から一ヶ月たったころ、ビル取り壊しの粉塵のなか、約50名で編成された一団が、平行四辺形に歪んでしまった街へ乗り込みました。
お餅と雑煮の炊き出しで、被災された方々に届けることで、温かい気持ちになってもらおうとのこと。
こういうときに、異業種が混在するJCメンバーの仕事は早い。
手ごろな空地を見つけるやいなや、設計事務所が線を引き、それにそって建設業がテントを組み立てる。イスやテーブルは家具店が用意、食材はスーパーマーケットが担当。その他、レストランの支配人、米穀店の若旦那と多士済々。極めつけは、清掃業の存在で、まるで『サイボーグ009』を見るような、スペシャリストの集まりです。
ここでは、保険会社は何の役にも立たないことを痛感します。
私はカメラを抱えて、記録係になってました。
口コミで行列ができ、準備した千人分の料理はあっという間になくなりました。やれやれ。
(つづく)