プロ野球のFA制度は、1993年から始まりました。
ドラフトによって、所属する球団を選べなかった代わりに、改めて契約を見直す権利を与えたもので、これにより年俸を見直すことに繋げようとする選手会の意向が強く働いています。
選手は個人事業主で、立場が弱いですからね。
結果としては、野球選手の報酬が、全体的に底上げされました。
この制度を使って所属球団を変えた選手は、今年の6人を含めて55人に上ります。
国内FAで選手を獲得した球団と人数は、以下のとおり。
巨人 15人
ソフトバンク 10人
阪神 8人
横浜 7人
中日 5人
西武・オリックス・ヤクルト 2人
ロッテ・近鉄・日ハム・楽天 1人
パリーグで育って、セリーグで稼ぐ図式。
消滅した近鉄を含めた13球団で、唯一名前が上がってこないのがカープです。
金持ち向けに作られた制度なので、貧乏人には無縁だと思っていましたが、そうでもないことに気付きました。
それは、人的補償制度があることです。
新井選手の見返りとしてタイガースから獲得した赤松選手は、28名のプロテクトから外れたため指名できたわけで、トレードみたいなもんです。
そういう意味で、せっかく育てた若手をピークを過ぎたベテランと取り替えるのは、なんだかなぁ。
巨人軍は、村田・杉内という盛りを過ぎた大物を二人も獲った代わりに有望な若手を抜かれていきます。
これは、清武元代表に対するアンチテーゼってことでしょうか?
投手で宮國・笠原・小山・福田、野手で太田・松本・亀井・田中…原石がゴロゴロしています。
なんだかなぁ。