都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

脱原発論

小林よしのりが自分のことを“わし”と言うのは、生意気な若造がと思われるのがイヤだったからということらしいのですが、自分が正しいと信じたら、誰に対してでもキバを剥くスタイルは、どこか橋下市長に通じるところがあります。
もともとは、ガリ勉受験生を揶揄した『東大一直線』や金持ちのバカ息子をデフォルメした『おぼっちゃまくん』などのヒット作品を通じ、青少年のココロをガッチリ掴んだ漫画家でありました。
個々のキャラクターは、実は心根の優しい持ち主で、人間にとって本当に大切なものは何かを考えさせるようなところもあり、主人公が成長していくにつれて、バカバカしさが損なわれていくのが逆説的で面白いなぁと見ていたものです。
おそらくは、職業に貴賎ありをひしひしと感じていたのでしょう。
いい大人が、いくら流行したからと言って「おはヨーグルト」はともかく「ともだ○ンコ」なんて描いていたのだから。
世間の軽蔑的な視線を跳ね返すように『ゴーマニズム宣言』という形で、さまざまな社会問題や政治問題に対し主張を起こす風刺漫画というジャンルを確立しました。
言論の世界で生きる評論家や専門家、いわゆる知識人に論戦を挑むのは、並大抵の努力では追いつかないものであって、多くの文献を読み漁っている様子がそこかしこに窺えます。
仮想敵を設定すると、遮二無二そこへ突進していく様が、まさに橋下的であって、そっくりな二人は案の定、敵対関係にあるのも面白いところですね。

さて、今回の読書は、その小林氏による『脱原発論』(小学館)です。
単なる批判に止まらず具体的な代替案も提示してあり、立派な論文を漫画で描きあげたって感じ。
これなら、普段ロクに新聞を読まないような輩でも、充分に理解が深まるというものです。
伝わりすぎて、ちょっと怖い気もしますけど。
本当は、全否定でなく、「なるほど、そういう見方もあるけれど…」と穏やかに反論していけば、もっと評価が変わると思うんだけど、極端じゃなければ面白くないし…。
マッ、いいか、選挙出ないから。

この本は、主張の是非はともかくも、原発問題についての理解を深める好著です。
是非、ご一読を!!