「兄達は頭が悪いから東大へ行った」とは、将棋連盟会長である米長邦雄氏の名セリフです。
将棋の世界には、コンピュータを凌駕するような俊才が大勢いるので、この言葉に全く違和感を感じません。
そうだよなぁって思いました。
そんな天才集団の中にあっても、米長氏のキレの良さは群を抜いておりました。
おそらくは、交友範囲を政治家や財界にまで拡げ、経験を積んだことが大きいと思われます。
そして、将棋界には珍しく、色気のほうも相当なものでした。
対戦相手は、そういった面も含めての人間力において、相当なプレッシャーをかけられたことでありましょう。
前職では、米長氏が名人だったころに二度ほど講演をお願いし、人様にはとても見せられないような色紙までいただきました(それは宝物として大切に保管しております)。
そういうものを書きながら、相手の反応を楽しむ様子は、AB型だなぁと思わせるものでした。
美輪明宏さんとのトークショーをお願いしたときに、和服で出ていただけないかとの提案を一蹴されたのも、苦い思い出です。
後で知ったのですが、棋士の正装をタイトル戦のみと決めていたんだそうで、私も無謀なことをしたなぁと。
知らないってことは、すごいことです、いろんな意味で。
69歳。早過ぎるご逝去でした。合掌。