都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

反則

中学三年のとき、一年だけラグビー部に籍を置いておりました。
それまでは、陸上部だったのですが、才能のなさがデジタルに表れる競技の中にモチベーションを見つけることができず、ちんたらしておったところ、人数不足に悩む主将から強く誘われたからです。
出場する前から、持ちタイムによって順位が予想できる陸上競技と違い、展開が全く読めないラグビーは、それは魅力的でありました。

ラグビーで最初に教わるのは、反則行為です。
ボールを前に投げてはいけない。
ボールの前でプレーしてはいけない。
ボールを前に落としてはいけない。
倒されたら、手を使ってはいけない。
自分より前にいる味方の選手にぶつかってはいけない。
そして、何よりもそれらを判断するレフェリーが絶対だということです。
これに対して、不服を申し立てることはもちろん、グランド内のあらゆる暴力行為、進行を意図的に邪魔する行為など、姑息だと思えるようなプレーは厳しく罰せられます。
根底にあるのは、それが紳士のスポーツだということ。

昔、ニュージーランドのチームがイギリスに遠征したときの話です。
31連勝した最後の試合は対ウエールズ戦で、0-3で負けていました。
終了寸前、オールブラックスニュージーランド)のフルバックが敵のタックルを引きずりながら、ゴールラインに飛び込みます。
トライで逆転と思ったところ、レフェリーの判定は無情にもインゴールノックオン(最後にボールを落とした)でした。
これでオールブラックスは、完全制覇を逃したのです。
あきらかな誤審にも思えましたが、トライを逃した選手は、試合後もその判定について、一言も語りませんでした。
数年後、欧州大戦が始まり、その選手が応召され、前線で瀕死の重傷を負いました。
そして戦友に看取られながら、息を引き取る直前に「あれは間違いなくトライだった」とひとことだけ言ったといいます。
これは審判の判定には絶対服従というラグビーの厳しさを物語っており、ラグビーをする者は、誰もがこの話を聞かされます。
結果がすべてではないってこと。


サッカーのW杯は、ドイツの優勝で幕を閉じましたが、全体を通じていくつか引っ掛かることがありました。
それは、審判が軽んじられていること。
そして、分からなければやっていいという反則の多さです。
ラグビーで、相手のジャージーを引っ張るというのは、重大なペナルティなんですよ。
それに比べて、接近戦の中では、見えないような反則の嵐。
ネイマールの不幸な事故なんて、そういう文化の中で起きてしまったのであります。
こういうのは、教育現場でどのように指導するのでしょうか。

  「いいか、お前たち。分からないようにやるんだぞ!」

サッカーの選手にチンピラみたいなのが多いのは、そんな背景があるような気がしてならない。
言いすぎかなぁ??