サムラゴーチ氏の事件では、ゴーストライターであった新垣隆氏も片棒を担いでいたわけで、それなりの社会的制裁を受けたものの、作曲家としての才能や浮世離れしたキャラクターが注目を集めることとなり、現在は何事もなかったように活躍の場を広げています。
彼のレギュラー番組と言えば、JFN系列で流れている『新垣隆の音楽室』です。
毎週日曜日の8時過ぎが、ちょうど私の出勤時間であり、FMにダイヤルを合わせると、この番組に当たるのです。
それにしても、世の中にこれほどラジオがそぐわない人も珍しい。
彼は、声に張りというものが全くなく、何を言っているんだか、非常に聴き取りにくいのです。
だから、目茶苦茶に滑舌のいい女性アシスタントが、彼の言葉をなぞりながら、番組が進行していく。
面倒くさいんです。
にも関わらず、何故これが成立しているのか??
それは、彼の音楽に関する知見が並外れているからです。
今日はドイツの作曲家シューマンの特集でした。
「先生は、シューマンのどの曲がお好きですか?」の質問に対し、「好きな曲って、200曲ぐらいありますけど」とさらっと答えておりました。
200曲って…
なるほど、プロっていうのは、そういうものだと合点がいきました。
つまり、音楽を志す者にとって、たくさんの曲を聴きこなすってことは、野球でいえば、たくさんの素振りを繰り返すようなもの。
小説を書こうと思うなら、まず、たくさんの本を読み重ねるのが大切なんでしょう。
そういうことって、若いうちに分かるように教えて欲しかったなぁ。