WBCでも、そういう扱いでありました。
スピードは150キロ前後とそこそこですが、コントロールが素晴らしい。
変化球をコーナーに集める技術は、圧巻です。
ところが、この投手になかなか勝ち星がつきません。
過去三年は、12→10→9と推移しています。
この間、防御率は、2.01→1.91→2.33と、先発したゲームをほぼ2点以内に抑えているにも関わらずです。
何でしょう?これは?
実は、コントロールのいい投手の宿命でありまして、コーナーを丹念に突きながら、微妙にストライクゾーンを拡げていくという技は、相手方の投手の能力も引き出してしまうのです。
だから、接戦になりやすい。
カープでは、引退した黒田投手がそうでした。抑えてるんだけど、勝てないピッチャー。
昨夜のゲームでは、菅野投手の降板後、呪縛が解けたように、主審の判定が辛くなり、突然の乱打戦になりました。それが、9対6の真相です。
野球の面白さは、そういうところにあって、流れに乗りながら試合を進めていくと、いい勝負になる。
そんなとき、勝敗を決めるのは、細部にこだわるきめ細かさ。
しっかり走って、きっちり守る。
投げて打つだけが野球ではないと、改めて感じた一戦でありました。