都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

制度設計


来年4月1日から、障がい者の法定雇用率が、現行の2%から2.2%へと引き上げられます。
この場合は、ざっくり言うと、分母が週に20時間以上働く常用雇用者となっており、パート従業員が多くを占める会社では、その月によって変動があります。
多くの会社では、2%をめぐるギリギリの攻防があり、人事担当者はこのことで頭を痛めています。
というのは、雇用率がマイナスの企業は、不足する一人当たりについて、月額5万円のペナルティを納めなければならないからです。
そして、そこで集められたお金は、雇用率を達成した企業へのご褒美(奨励金)として与えられます。
つまり、ここに税金は投入されていないわけで、実にうまく設計されております。
50人以上の企業は、業種に関係なく同じ基準を当てはめられるので、一人仕事となるサービス業にとっては、難題を突き付けられることになります。
一方で、スーパーなんかは、バックヤードでの仕事がありますから、何とかなりやすいです。
このあたり、外国人雇用の話とも似てくるわけですが…

こうしたハンデを感じさせないためでしょうか、罰金・奨励金とは別に、特定求職者雇用開発助成金の制度があります。
これは、結構太い金額になっていて、重度障害者・45歳以上の障害者・精神障碍者を採用した場合、3年間で
240万円(!)もが支給される仕組みとなっています。
ただし、これには条件があって、ざっくり言うと、過去1年間に支給対象となった人の離職率が50%を超えていないことが大前提となります。
そこのクリアが意外と難しい。
何故なら、ハンデを抱えた人は、実際に職場に出てみて、初めて不具合を感じることが、多いからです。
だから、一度採用した方(特に障害者や高齢者)には、できるだけ長く働いていただくことが肝要で、そういう面倒見のよさが、助成金の獲得に繋がっていくということなんです。何せ、240万円ですから。

制度がある以上、それに従わざるを得ないわけですが、それをよく理解した上で、使えるものを使っていく賢さが求められているのであります。