都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

教育論①

大学時代は、アルバイトに明け暮れておりました。
授業に出ても、一銭にもなりませんが、アルバイトだったら、お金がもらえる。
アホですからね、その程度の考え。
自分で授業料を払わないと、こんな風になります。人によるけど。

その中で、なんといっても効率が良かったのは、家庭教師の仕事です。
私の住んでいたところは、新興住宅地で、小さなお子さんをかかえたいわゆるニューファミリーが多く、周りに大学生が少なかったこともあって、クチコミで引く手あまた。いつも3ヵ所くらいを掛け持ちしていました。

今でも忘れられないのは、小学校一年生のミナちゃん。
すごく変わった子で、予想がつきにくい言動の数々。頭が悪いわけじゃないんだけど、どうしても足し算ができません。
とにかく、じっとしていられなくて(集中力が著しく欠けている)、問題集があったとしても、別のことを考えています。
で、彼女の編み出した手法は、指を使うこと。
左手が4、右手が3だとすると、その指先をくちびるに当てて、ひとつふたつと数えていきます。
このやり方だと、6以上の数字が対応できませんし(ミナちゃんは、足の指を使おうとしました)、時間がかかります。
思考回路としては、掛け算の九九みたいで、足し算が暗記科目みたいな存在でした。
そういう子供に、どうやって教えるかは、試練の連続です。
問題には全く興味がないし、必要性も感じていない、正解したときの達成感や喜びを知らない。
実は、大学生の自分も似たようなものではありましたが、自分のことには気づいていません。

困り抜いた挙げ句、結局、何をしたかというと、トランプゲーム。
ババ抜きから始めて、神経衰弱、七並べ、そして、51です。
三か月経ったら、バンカース(今でいう人生ゲーム?)も。お金のやりとりは、計算だらけですからね。
いや、小1の子供とのゲームは、ばかばかしさとの闘いでもありましたが、若いから根気がありました。
勉強の楽しさを知ると、放っておいても学力は伸びます。
自分のことには気づいていないんですけど。
ミナちゃんの家は、結構なお金持ちで、紅茶とケーキがいつも美味しかった。いい思い出です。


分からない生徒に対し、どういう風に教えるか?
どうやって、勉強することに興味を持たせるのか?
人はいろいろであり、ワンパターンでは、落ちこぼれが出ても仕方ない、となってしまいます。
だから、教育で重要なのは、まず、興味を持つこと(好きになること)。
そして、褒めること。達成の喜びを味わうこと。
さらに、認めること(これは、ちょっと高度なテクニックです)。
そうしたプロセスをきちんと踏んでいけば、誰でも一定のレベルに達することができるのです。
自分のことには気づかなかったけど。