あんまり好みではないけれど、10回クイズというのがあります。
「ピザって10回言ってください」
「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
「(ひじを指して)じゃあ、これは?」
と聞くやつ。
素直な人は、「ひざ」と言います。
ピザというプライム(先行刺激)が、ターゲットである「ここは何?(ひじを指して)」という質問の答えに対して無意識・反射的に影響を与えてしまうからです。
心理学では、これをプライミング効果といいます。
野球では、東尾投手がこれを駆使していました。
まず、内角にバッターがのけぞるようなシュート系のボールを投げます。
その残像があるうちに、次の球は一転して外角へのスライダーで打ち取る。
これもプライミング効果です。
中古車販売大手の『ケーユー社』のマニュアルに、「顧客に好みの色を聞かない」というのがあります。
好みの色を事前に聞くと、顧客は自らの発言に縛られて、柔軟な自動車選びができなくなるからだとのこと。
こういうのもプライミング効果でありましょう。
いろんな情報(プライム)を多岐にわたって持っていると、後の学習(ターゲット)が効果的に進む、そういうことでもあるらしい。
知らないよりは、知っていたほうがいいんだなぁ。