このあたり(下関市豊田町)は山間部なので、そこらじゅうに森林が広がっており、たくさんのシカやイノシシが棲息しております。彼らは農作物を荒らすため害獣と看做され、地元ではこれを駆逐する猟友会なるものが結成されています。何せ、イノシシなんぞは、キバがサバイバルナイフみたいになっているので、一人で立ち向かって行けるような相手たりえず、日にちを決めてグループで追い込んでいくのが通例だとか。命がけなのであります。
行政からは、獲物のシッポを持っていくと奨励金が支払われるそうで、肝腎の肉のほうは猟師みんなで分配すると言います。そりゃぁ、そうですね。動物の遺骸なんか持ち込まれた日にゃ、どうにもならなくなりますから。しっぽとは考えたものだと改めて思います。
獰猛なイノシシに対し、シカはそれほど手強くはありません。的が大きく、収穫量も多い。
ところが、イノシシに比べてシカは調理法が確立しておらず、なかなか人気が出ないらしい。これを何とか考えようと、先日から試行錯誤していました。
いろいろ調べたところ、基本的には、牛肉と同じような捉え方でいいようです。
そこで、ビーフストロガノフを作る要領で進めてみると…
これが絶妙なんです。とっても美味しい。
お店でも出すことにしました。
ネーミングは、万葉風に平仮名で『しかすとろがのふ』。
「これ、何ですか?」って聞かれようと企んでいます。会話が増えると、お店にとってのプラスが大きいですからね。いろんな意味で。
シカ肉はさっぱりしていて、その分、臭みが少なく、逆に調理しやすいと感じました。
生クリームやバターと相性抜群です。
『うみやま』の“やま”の料理が間もなく加わります。