都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ロッキード②

抜け道が多く、「ザル法」と批判される政治資金規正法は、敗戦後の占領期だった1948年、政治腐敗の防止を目的に制定されました。

当初は政治資金の収支の公開に主眼が置かれ、寄附の制限は設けられていなかったのです。企業・団体からの献金は青天井。

これが見直されるきっかけとなったのが「ロッキード事件」です。相次ぐ報道の中、田中角栄に象徴される金権政治に対し、国民の不満が爆発して法改正が行われます。それが1975年。寄付の制限が導入され、同時に政治団体の収支報告も強化されました。

そこで編み出されたのが利益率が9割以上とさえ言われている政治資金パーティーです。これも当初は金額制限ナシから始まったのですが、その後一人当たり150万円までとなり、パーティー券購入者の公開は20万円超の場合に限るなどの条件が加わりました。

しかしながら、入りも出も全てが透明になっていないため、抜け道だらけで不正の温床となっています。こうした歪んだエネルギーが一気に噴出したのが今回の派閥によるキックバック事件であり、その不正のルーツともいうべき「ロッキード事件」を読み返しています。

利権のそばにはリベートを渡そうとする空気が充満するわけで、扱う物件の単価が大きいほど、その規模が膨らんでいく。それが航空機のセールスなのでありました。

従来はなかった大型の新しい機種をボーイング社製にするか、ダグラス社製にするか、ロッキード社製にするかの競争は、むしろアメリカ国内の問題で、その売り込みのために日本の商社である三菱商事三井物産、丸紅が暗躍していたのは間違いありません。そして、商社と政治家を繋いでいたのが、政商という黒幕の存在でした。

(つづく)