都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

髑髏城の七人

前々から気になっていた演劇集団が、古田太一率いる『劇団☆新感線』です。

本日、それがBS放送でやるのを見つけて視聴しました。三時間半のロングランです。

この「髑髏城の七人」は、彼らがこだわりを持って30年近く演じ続けておるシリーズもので、今回は主演女優に天海祐希を抜擢しておりました。

織田信長本能寺の変で討ち取られた後、関東の支配にポッカリ穴が空き、それを支配しようとする関東髑髏党との争いを描いたものなんだけど、ミュージカルと歌舞伎と吉本新喜劇を混ぜ込んだような内容で、なかなか見応えがありました。

何より、天海祐希の存在感は圧巻で、流石の宝塚スターです。劇団メンバーが及ばないところを見事に補ってお釣りを出しておりました。

不思議なキャラクターですよね。男顔なんだけど、半端なく色気があって、迫力がある。歌も唄えるし、コメディエンヌとしても上等。まさに、最上級のエンターテイナーと言えるでしょう。

そして、古田新太。同じ路線の梅沢富美男よりも、圧倒的な悪人顔で、半端ない存在感です。反社を演じさせたら、他の追随を許しません。存在するだけで、絵になる男です。

いやぁ、これは面白いですねぇ。ストーリーなんか関係ない。舞台の贅沢な時間を充分に感じさせてくれるエンターテイメントでありました。

必殺野球固め

作家の村松友視氏は、その著『必殺野球固め』の中で、王貞治選手について、こう語っています。

 

王貞治のフラミンゴと言われる一本足打法は、それまでに類のない独特なものである。だけど、考えてみれば、投手の場合、例外なくみんな一本足で投げている。つまり、王貞治は史上初めて投手と同じ次元に立って勝負した打者と言える。同じ次元だからこそ、見えるものがあるのだ」

 

なるほど。高校時代は甲子園でノーヒットノーランを達成したほどの投手であった王選手は、投手の動きを打撃に取り入れたのでした。

そこで、大谷翔平の二刀流です。

本日の試合でも二本のホームランを打ち込んだ大谷選手は、投手心理を読みながら、打席に立っていると言われています。自分だったら、こんな風に攻めるんだと。

うーん、そういう面もあるかもしれませんね。技術が伴ってこそのものだけど、二刀流だからこそ、見えてくるものがあるってこと。分けて考えるのは、違うような気がしています。

 

ペットロス

先週、過度の疲労から緊急入院した小池都知事が久しぶりに会見の場に現れると、かすれ声で一気に老け込んだような気がしました。

コロナ感染などと無責任な声も上がりましたが、実際は産まれたときから可愛がっていた愛犬が亡くなったことによる心痛が原因のようです。

18歳と言いますから、寿命なんだけど、自分の子どものように愛情を注いでいたとのことで、それはショックだったでしょう。犬の一生はギュッと詰められますからね。我が子を亡くしたのと同じ感情が宿ってしまいます。

そんなとき、他に支えてくれる人がそばにいればいいんだけど。部屋で一緒に過ごす愛犬より可愛いい対象なんて、あるわけない。これは引きずるなぁと思っていたら、漢字が読めない麻生大臣が「自分で蒔いた種」発言で、またまた炎上しました。

赤木ファイルのこともあるし、自民党に逆風が吹きまくっています。

 

金メダル予想

アメリカのスポーツデータ分析の専門会社であるグレースノートによれば、東京五輪での日本の金メダル獲得数は、34個だそうです。

半年前に30個だったものが、さらに増えており、コロナの影響を受ける国もあるだろうから、もっと多くなる可能性すらあります。

今回、新しく採用された競技の多くが日本に有望な種目なので、期待してみましょう。

金メダルを狙う競技を調べてみました。

 

〈陸上〉男子 20キロ競歩 50キロ競歩 走り幅跳び 400メートルリレー

〈水泳〉男子 200メートル個人メドレー 400メートル個人メドレー 200メートル平泳ぎ 200メートルバタフライ 200メートル自由形

    女子 400メートルメドレーリレー 200メートル個人メドレー

〈体操〉男子 団体 個人総合 鉄棒

    女子 個人総合 床運動

レスリング〉男子 フリースタイル57キロ級 フリースタイル65キロ級 グレコローマンスタイル60キロ級

       女子 50キロ級 53キロ級 57キロ級 62キロ級 68キロ級 76キロ級

〈柔道〉男子 60キロ級 66キロ級 73キロ級 81キロ級 90キロ級 100キロ級 100キロ超級

    女子 48キロ級 52キロ級 57キロ級 63キロ級 70キロ級 78キロ級 78キロ超級

    混合団体

〈空手〉男子 形 組手67キロ級 組手75キロ超級

    女子 形 組手55キロ級 組手61キロ級 組手61キロ超級

〈スポーツクライミング〉男子 複合

            女子 複合

〈野球〉日本チーム

ソフトボール〉日本チーム

〈バドミントン〉男子 シングルス ダブルス

        女子 シングルス ダブルス

〈テニス〉女子 シングルス

スケートボード〉男子 ストリート

         女子 パーク ストリート

〈トランポリン〉女子 個人

〈フェンシング〉男子 エペ団体 フルーレ団体

        女子 サーブル個人

〈サッカー〉女子 日本チーム

〈ゴルフ〉男子

〈新体操〉女子 日本チーム

〈アーチェリー〉男子 個人

〈ボクシング〉女子 フライ級

〈自転車〉男子 BMX  トラック

     女子 トラック

セーリング〉女子 470級

〈サーフィン〉男子

〈卓球〉女子 シングルス

〈テコンドー〉女子 57キロ級

〈重量挙げ〉男子 61キロ級

 

全部で25競技76種目が有望だと分かりました。なるほど、34個というのも大げさじゃありません。

ここに挙げた以外にも、バスケ・ホッケー・ラグビー水球やカヌー・馬術・マラソンなど、見どころ満載な大会です。

いろいろ言われているけれど、始まればやっぱり盛り上がりそうですね。

殺人事件が結ぶ絆

宮部みゆき直木賞受賞作は、『理由』です。

これは、朝日新聞の夕刊に一年間にわたって連載された新聞掲載の続きもので、高層マンションで起きた殺人事件を大勢の関係者の証言で構成したドキュメンタリータッチの仕上がりとなっています。一日当たり2ページ弱のゆったりした進行。細切れの発言を次に繋げていく手法は斬新で、新聞小説の特徴を最大限に活かしていました。

一冊の単行本として読んだ場合、無駄が多く、冗長な感じがするものの、事件にまつわる多くの家族を描いていくと、そんなもんです。

バブル崩壊後の不動産価格低落に伴う占有屋の存在や多重債務者が陥る買取屋の罠みたいなものも勉強になりました。

 

そして2004年、その小説が大林宣彦監督によって、映画化されました。

この物語は、めちゃくちゃ登場人物が多いため、ストーリーが複雑であり、二時間ちょっとの映画にまとめるのは難しいと思われていたのですが、天才監督は原作を忠実に守りながら、ほとんど変えることなく描ききっています。何せ、エンドロールに役名のついた出演者の名前がざっと120人映し出されていますからね。

立川談志永六輔大山のぶ代菅井きんなど今は亡き懐かしい顔がいるかと思えば、多部未華子宮崎あおい菊池凛子・寺島咲・花澤香菜のデビュー間もなくのころ、山本晋也柳沢慎吾島崎和歌子久本雅美片岡鶴太郎が出てくるし、主役級では古手川祐子大和田伸也小林稔侍・南田洋子勝野洋風吹ジュン渡辺裕之、脇を固める岸部一徳柄本明・村田雄浩・渡辺えり小林聡美石橋蓮司…ほかにも知ってる顔がズラリと続きました。

そうやって、視聴者に短時間でも役柄をイメージできるようにしたのだと思います。

スゴいことに、571ページにわたる長編小説が、細部にわたり145分で忠実に描かれていました。プロだわ。

うーん、書評では評価が分かれておりましたが、これは小説と映画、セットでおススメです。私的には両方とも90点。十分に満足できました。

エンディングに流れる曲の「殺人事件が結ぶ絆〜♬」というフレーズの繰り返しが、気味悪く耳に残りました。家族にはそれぞれが結びついている理由があるし、バラバラになって他人と繋がる理由もある。理由ねぇ。理由かぁ。

巨人の星

書棚を整理していたら、『“巨人の星”に必要なことは、すべて人生から学んだ。あ。逆だ』(堀井憲一郎著・双葉社)を見つけました。

20年前、タイトルに釣られて購入したものの、題名がピークで内容が尻すぼみだったような記憶がありますが、もう一度読んでみることに。

堀井氏は、何でも調べるフリーライターとして、長年週刊文春のコラムを担当しておりました。

反語を駆使した告白っぽい独特の文体は、中毒性があり、クセになります。

そんなわきゃねーだろって感じで、花形満が高校時代にスポーツカーを運転していたことや、相手に命中させるノックアウト打法は別にヒットコースへ飛ばしてもいいだろうなんて指摘してました。ほかにも、日給500円の日雇い稼業で長屋住まいにも関わらずブルジョア高校へ入学したとか、甲子園準優勝の残念会で闇鍋パーティーを開いたとか、東京の秩父山中が大雪で熊が出るとか、来日した大リーガーがみんな日本語を喋っているとか、まぁツッコミどころ満載のマンガです。だけど、ジャイアンツの選手は移動中のバスで、つま先立ちしてるってのは信じていました。

 

堀井氏らしいのは、主人公の飛雄馬が作品中で泣いた回数を数えていたこと。

何と全19巻で37回ですと。2位は伴宙太で22回。続いて姉の明子が20回。父・一徹が15回。実は『巨人の星』は、漫画史に残る涙の物語なのでありました。なーるほどね。

ダイバージェンス

関西人が東京へやって来ても、そのまま関西弁のスタイルを崩さない人が多くなりました。

その先鞭をつけたのが明石家さんまであり、ダウンタウンだと思います。

ひと昔前は、東京弁こそが正しい標準語であるという考え方が強く、アナウンサーみたいな喋り方がお手本だと習いました。

戦前のことではありますが、沖縄では学校で方言を話しているのが見つかると、罰としてかまぼこ板みたいな「方言札」を首からぶら下げることになっていたと言います。時代ですねぇ。政府方針に過剰に反応しています。

そもそも標準語っていうのが差別的な言い回しであり、現在は共通語と言い換えることが多くなっているようです。

 

言語学アコモデーション理論では、相手に近づけて話すことをコンバージェンス、距離を取って話すことをダイバージェンスと言います。

赤ちゃんに対してワンワンと言ったり、外国人に対してゆっくり喋ったりするのは、コンバージェンスです。

関東の人間が、関西へ異動となって、溶け込むために無理して関西弁を喋ろうとするのもそうですね。やり過ぎると嫌われるけど。

今の若い人たちは、小さいころからメディアに慣れ親しんでいるので、左脳(言語脳)が発達し、いろんな種類の言葉に柔軟な対応ができるようになっています。これも、さんま効果なんでしょうね。