都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

WBC一次予選展望

キャンプから強化試合を終えて、いよいよ本番へ。メジャーリーガーの3人が打線に加わり、期待が膨らんでいます。

予選4試合は、中国戦がダルビッシュ、戸郷、宮城。韓国戦が大谷、今永、伊藤。チェコ戦が佐々木、高橋宏、松井。オーストラリア戦が山本、高橋奎、湯浅。そして、抑え役として栗林、大勢、宇田川が控えると予想しました。

まず、中国ですが、前回大会の予選リーグではキューバに0対6、オーストラリアに0対11、日本に1対7の三連敗。3試合で1点しか取れませんでした。明らかに、レベルが違います。今回もソフトバンク自由契約となった真砂勇介がクリーンアップを任されるようで、いかにも苦しいのは否めません。初戦の緊張感を割り引いたとしても、失点のリスクが低いので、安心して臨めることでしょう。

二戦目の韓国は、過去の対戦成績が五分であり、スキのない戦いをしたいところ。ここへ、切り札の大谷と調子が上がっている伊藤、そして左腕エースの今永で勝負すると読みました。直前の強化試合は、オリックス相手に2対4で敗戦(侍ジャパンは9対1で勝利)、阪神相手に7対4で勝利(侍ジャパンは8対1で勝利)ですから、単純な比較では、攻守共に日本が上だということになります。

おそらく韓国代表は、過去の日本戦で苦しめた左腕投手を重点的に起用してくるものと思われますが、今回の代表チーム左打者はサウスポーを苦手としていません。

【左打者の昨季の左右投手別打撃成績】

       右投手    左投手

大谷翔平  .278  25本塁打  .264  9本塁打

ヌートバー .217  13             .273  1

吉田正尚  .314  13             .359  5

村上宗隆  .322  37             .359  18

近藤健介  .294   7              .308  0

源田壮亮  .277   2              .260  0

中野拓夢  .285   4              .247  0

大城卓三  .271  10             .218  2

周東佑京  .288   4              .288  1

牧原大成  .305   5              .302  1

吉田や村上は、むしろ左腕投手を得意としています。好打者は、苦手が少ないってことが分かりますね。ただし、ホームランは減る傾向にあります。だから、大差にはなりにくいというのが韓国戦なのです。捕手の甲斐、遊撃手の源田は外せません。

3戦目のチェコは、初出場です。昨年9月の予選では、対スペイン7対21、対フランス7対1、対ドイツ8対4、対スペイン3対1で勝ち抜きました。どちらかといえば投手力のチームですが、ヨーロッパの国はオランダ以外はレベルが低いので、取りこぼすことはないでしょう。ここで、佐々木朗希、高橋宏斗を代表デビューさせ、自信と勢いをつけたいと思います。

そして、4戦目がオーストラリア。昨年行われた練習試合では、8対1、9対0で撃破しています。メンバーが違うとはいえ、こちらもメジャー組がいなかったことを考え合わせると、かなり実力差があると思われます。とくに、3連勝で迎えた場合、プレッシャーもかからないので、余裕でしょう。

 

今回、直前になって鈴木誠也がリタイアしましたが、これはかえって良かったのかもしれません。何故なら、近藤健介が先発出場するからです。

12球団一の選球眼を誇る近藤は、最も三振しない打者である吉田正尚とで化学反応を起こしやすい。球数制限のあるルール下では、待球能力の高さが相手のイライラを誘います。

周東、中野、牧原と、ベンチスタートを厭わない選手が控えるのもいい。同点や劣勢時の飛び道具になるため、作戦の幅が広がりました。

さぁ、もっとたくさん応援しましょう、って大谷が言ってました。

 

サイエンス・フィクション

昔話には、桃太郎や赤ずきんのように擬人化された動物が登場し、それを違和感なく読んでいたのは何故だろうと不思議に思うことがあります。

それは多分、子供だからです。子供の脳は柔軟なので、いろんな設定を受け入れやすい。大人になるにつれて、理屈が増えて、そんなわけないだろうと素直に認めなくなります。聞いていられなくもなる。だけど、そういう常識が邪魔をして、創造する力を弱めてしまいます。現実に線を引くタイミングが早いほど、クリエイティブから遠のいていく。だから、10代までの過ごし方は大事だと、そう思います。

 

漫画を貪り読んだ私ですが、絵のタッチが合わないとの食わず嫌いでほとんど触れなかったのが松本零士作品でした。

男おいどん』の四畳半キノコ生活と淡々としたセリフ回し、陰キャな登場人物などが、拒絶した理由だったような気がします。

で、今回改めて『劇場版 銀河鉄道999』を観たのですが…

次々に提示されるご都合主義な設定に理解力がついていけず、全く楽しめませんでした。こういうの、60過ぎてから初見で観るもんじゃない。

鑑みるに、『スターウォーズ』や『バットマン』『マトリックス』などのSFモノが軒並み苦手なのは、『ドラえもん』で基礎を学んでいなかったからだと思ったりもします。いや、理科が苦手だったからか?『宇宙戦艦ヤマト』はこれからも読まないだろうな、きっと。

熱血先生(2021/3/19分再掲載)

パ・リーグに不思議な監督がいます。

それは、日本ハム栗山英樹監督(バツなし独身59歳)です。

監督コーチの経験がないままに、2012年、ファイターズの指揮官に就任。以来、1位→6位→3位→2位→1位→5位→3位→5位→5位と優勝を二度達成しています。

大リーグ志向だった大谷翔平口説き落とした話は有名で、趣味が読書というだけあって、言葉を持っているのが最大の強みです。

その栗山監督がスポーツ紙のインタビューに応えて、こんなことを語っていました。

 

「開幕3連戦の相手はイーグルスです。田中将大投手は第2戦に先発してくるようです。みんなが快刀乱麻を期待しているなかで、ウチがマー君に一泡吹かせたら、そりゃ、おもしろいよね。ウチの選手には『まさかマー君のことを好きに打っていいなんて思ってないよな』と言いますよ。『そんな野球でマー君に勝てますか』『この球だけ狙っていこうとか、ツーストライクまでは見ていこうとか、なりふり構わず徹底していかなきゃ、とても通用しませんよ』って。そういう野球をやらなきゃ勝てない相手がいてくれるというのは、成長する材料になるんです。すげえピッチャーの力を借りて、我々がどう成長させてもらえるか。みんなで心をひとつにしてマー君をやっつけるぞって、フォアボールを必死で取りに行く。そういう野球って、いいじゃないですか。知恵を振り絞って、野球の原点に立ち返る。そうさせてくれるのがマー君なんです」

 

ダルビッシュ田中賢介大谷翔平と有力選手が大リーグへと抜けていってもメゲることなく、闘う力を鼓舞する熱血ぶりは、少しも衰えていません。有原航平がレンジャースへと去った今季ではありますが、野村佑希、清宮幸太郎らの若手が育っており、パ・リーグの台風の目となりそうな予感がしています。

 

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プロ野球で、趣味が読書だという選手はむしろ珍しい部類に入りますが、そのうちの一人が栗山英樹で、発言からも言葉をたくさん持っているのが分かります。現役時代の成績はパッとしないし、コーチ経験がないままに、いきなり日本ハムの監督として迎えられたのは、球団の編成部門に人を見る目があったからこそだと言えましょう。

マジックの継承者たち

プロ野球監督の通算勝利数ランキングを調べてみました。

        年数 勝利数 敗戦数 引分 勝率  リーグ優勝 日本一

1位 鶴岡一人   26      1,773      1,140     81      .609             11               2

2位 三原脩         23      1,687      1,453    108     .537              6                4

3位 藤本定義   29      1,657      1,450     93      .537              9                0

4位 水原茂    21      1,586      1,123     73      .585              9                5

5位 野村克也   24      1,565      1,563     76      .500              5                3

6位 西本幸雄   20      1,384      1,163    118     .543              8                0

7位 上田利治   20      1,322      1,136    116     .538              5                3

8位 王貞治    18      1,315      1,118      74     .540              4                2

9位 別当薫    20      1,237      1,156    104     .517              0                0

10位 原辰徳.     16      1,220         955      89     .560              9                3

11位 星野仙一   17      1,181      1,043     53      .531             4                1

12位 川上哲治   14      1,066        739      61     .591             11              11

13位 長嶋茂雄   15      1,034        889      59     .538              5                2

20位 栗山英樹   10         684        672      54     .504              2                1

 

トップの鶴岡一人は、戦後間もなく南海ホークスを常勝軍団として引っ張りました。監督というより親分と呼ばれることが多く、選手からも慕われていたようです。「グラウンドにはゼニが落ちている」の名ゼリフで、猛練習を課していました。

2位の三原脩は、選手の勢いを見逃さない慧眼の持ち主でした。なかでも昭和35年に前年セ・リーグ最下位の大洋ホエールズを率いて優勝した采配は見事なもので、魔術師と称賛されています。

5位の野村克也は、かろうじて勝率5割を保ちました。敗戦数がナンバーワンとは皮肉です。勝つ監督というよりも育てる能力が高かったように思います。

負けたという印象がほとんどない川上哲治のランキングは、意外にも12位でした。監督を長く続けていく難しさが分かります。

ちなみに日本一の回数は、川上哲治がダントツですが、二番目は6回の森祗晶。続く5回が水原茂工藤公康でした。

 

ところで、侍ジャパンを率いる栗山英樹は、現役時代をヤクルトで過ごしたので、てっきり野村チルドレンだと思っていたら、強い影響を受けたのが三原脩だとNHK総合『マジックの継承者たち』で紹介されていました。三原の娘婿、中西太から「勝利者の条件」と題された三原ノートと呼ばれる覚書を渡されていたのです。

そこには、「勝負は実力5運3勢い2」「勝負には実力とは別に心理戦と運がつきまとう」「野球の全てを一定の型に嵌めることはできない」「有利な心理戦を展開するのが監督の役目、そこにあるのは洞察力」「十人十色、長所を見つけ出せ」「強い言葉で奮い立つ者もいるし、優しい言葉で勇気を持つ者もいる。監督コーチは、それを見抜かねばならない」「困難なときほど人の真価が分かる。ハッスルせよ」など、マネジメントの要諦が散りばめられておりました。

驚いたのは、三原脩近鉄の監督時代に首位打者にもなった永淵洋三という選手をデビュー時には投手として登用していたことです。ヤクルト監督時には、外山義明も一番打者・投手で先発させていました。純粋な二刀流の走りですね。大谷翔平を獲得したとき、その起用法に迷いがなかったのは、そんな影響もあったのかもしれません。

 

史上最強の侍ジャパンとなったチーム編成も、人たらしの栗山英樹が監督だからこそ集まったのではないでしょうか?

日本ハムは、決して戦力に恵まれた球団ではありませんでしたから、684勝672敗の成績には、弱っているときの戦い方が詰まっています。マジックも含めて。

さぁ、いよいよ闘いが始まります。

 

死にゆく者の祈り

去年末のブログで柚月裕子の小説を通じて教誨師(きょうかいし)という仕事に触れましたが、この任務をさらに掘り下げた『死にゆく者の祈り』(中山七里著・新潮文庫)に出会いました。

改めて言いますと、受刑者に対し道徳教育を行う宗教家が教誨師です。特に死刑が確定した囚人に向き合うのは相当の覚悟と経験が必要で、精神的にキツい業務だと思います。ちょっと古いデータですが、全国に1,480人(平成2年)だそうです。宗教家の総数は、115,000人ぐらいですから、ホンのひと握り、誰でもできるもんじゃありません。

物語は、教誨師である主人公が、大学時代のサークル仲間が死刑囚であることを見つけ、その犯した罪に疑問を感じて探偵もどきに事件を調べるという話です。そんなわけないだろうと思いつつも、白けた感じにならなかったのは、作者の人物描写が巧みで、単純な作り話に見えなかったからでしょう。

仕事には、それぞれが与えられたミッションがありますが、捉え方によっては、そのままでいいのかと自問自答することがある。それは、人によって違うかもしれません。ルールに忠実な人は、はみ出した行動に嫌悪感を抱くのではないでしょうか? だけど、そもそものルールがどうなのかと考えているタイプは、こういう破天荒ぶりが許せるんだと思います。

この展開は、賛否が分かれるところですが、私としては、作者の正義感を支持したいです。一気読みでした。88点。

私を知らないで

これは映画なんかもそうだけど、たくさん読めば、たくさん外れることがあって、なんだかなぁと思ってしまいます。

それでも映画については、ネットでの評価が大体信用できて、星が3、5以上あれば、期待を裏切ることはありません。

だけど、小説の星は、ファン層が偏るみたいで当てにならないというのが思うところです。映画は、作者と関係なく観にいくけど、小説は固定ファンと握っていますからね。それが、星の違い。一応、4以上を目安にしていますが、当てにならないんだなぁ。好みの問題とはいえ、読み出してしばらくしてからのダメージは大きいです。

途中で止めるのには抵抗があります。小さいころから、食べ残しはいけないと教育されていたので。

 

『私を知らないで』(白河三兎著・集英社文庫)は、友情、恋愛、スクールカースト、犯罪といろんな要素が詰め込まれた青春小説ですが、今どきの若い子たちのテンションにハマれず、口に合いませんでした。作者は三十代くらいなんでしょうか? どうもこのライトノベル的な文体に馴染めません。技巧は感じるんですけどね。75点。

ワンエイス

今から20年くらい前の話ですが、横浜中華街入口にある行きつけのバルの一角に、雰囲気に酔いしれて歌う男女のグループがおりました。

そのうちの一人の女性は、かなり酔っている風ですが、いちいちハモっていて、これが通る声で異常に上手い。

最初は、うるせえなとムッとしていたんだけど、段々様子が変だと思うようになりました。上手すぎるんです。

で、お店の人にソッと尋ねると、プロの歌手、それもCDを何枚も出している畠山美由紀というシンガーソングライターだと。いやぁ、贅沢な時間で、ずっと鳥肌が立っていました。

 

TBSの『モニタリング』という番組で、ときどき往年のスター歌手が変装して、いろんなお店で突然歌い出すって企画がありますが、その都度、圧倒的な歌唱力に驚かされています。ひと昔前のドッキリ番組のタレントを騙して貶めるというスタイルを、欺く対象を観客に変えたのが、誰も傷付けないってのが今風で発明ですよね。

それにしても、その常連である石井竜也は還暦を過ぎているというのに歌はもちろん、容姿も衰えていません。どことなくエキゾチックなのは、8分の1だけロシア人の血が混ざっているからだといいます。クォーターの上で8分の1、これを「ワンエイス(英語で8分の1を意味する)」と言うんだそうです。鎖国が明けて150年以上が経過するので、そろそろこの「ワンエイス」の人も増えてくるのでありましょう。民族の血がどんどん混ざっていくことこそが、平和への道だと思うんだよなぁ。ヌートバーも頑張れ!