都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

Perfect Days

朝起きて、布団畳んで、歯磨いて、顔洗って、髭整えて、鉢植えに水をやって、着替えて、戸締りして、缶コーヒー買って、車に乗って、カセットの音楽聴きながら、目的地へ向かう。

一心不乱に仕事をします。期待されている以上に真面目に。

昼食は神社にあるベンチでコンビニのサンドイッチを食べます。木漏れ日をカメラに収めたりもします。

仕事を終えたら、自転車を漕いで銭湯に行って、その後、行きつけの居酒屋で食事する。時にはカラオケスナックも。

帰宅後は、軽く掃除して、布団を敷いて、文庫本を読み、眠くなって目を閉じる。

 

そういう繰り返しが延々と続く役所広司主演の映画『Perfect Days』を観てきました。

女っ気のない一人暮らしの初老の清掃員の生活は、極めて単調です。余計な登場人物が絡まないほどに、同じことの繰り返しになる。そういうのを良しとする人もいるわけで、ペースを崩さずに淡々と進めていくのもまた人生なのであります。

そして、主人公が日常のほんの少しの違いに気付くという感性の瑞々しさが、木漏れ日を通じて静かに表現されていました。

「今度は今度、今は今」というセリフには、彼の一度しかない人生を振り切って生きる覚悟を見たように思います。

それにしても、画面に登場する実在するであろうトイレは、建築物として高く評価できるような立派なものであり、海外の人たちは驚くだろうなと思ったりもしました。

そして、それを磨き上げる仕事への誠意。『トイレの神様』と共に、清掃業界の教科書として組み入れたらいいんじゃないかな?

大きな事件は起こらない静かな映画ですが、塗り絵を渡されたような余白がたくさんあって、想像を広げていくのが楽しいと感じる人にはオススメです。あなたにとってのパーフェクトデイズって何でしょう⁇

 

テミスの剣

警察の取り調べの様子は、刑事ドラマでさんざん見せられたけど、真剣勝負みたいなギリギリの状況では、違法まがいの強引な手法も取られており、賛否両論あるようです。警察も悪意の塊が相手だと、それを上回るような駆け引きが必要だと考えるわけで、ビル・ロビンソンのプロレスのようなルール遵守とはいきません。

狭くて暗い取調室に閉じ込めて、尋問する側は三交代のローテーションを組んで、緩急をつけながら追い詰めていく。飲食も自由にはさせません。カツ丼なんてのは、妄言のようです。とにかく、集中力を奪って計算や判断が効かないようにするらしい。一日8時間と制限があるものの、対面で詰められ続けると、精神状態がおかしくなるケースが多く、その隙を突いてちょっとだけ優しい言葉をかけると、コロッと白状してしまうってこともあるんだそうです。だけど、やりすぎると冤罪を引き起こすことにもなるようで…

 

『テミスの剣』(中山七里著・文春文庫)は、強引な取調べから起こった冤罪事件をめぐり、周囲の人間がその渦にどんどん巻き込まれていく話です。全くの部外者である私でさえ、正義感が揺らぐこともあり、正しいことが必ずしもいいことでないと、悶々としたりもしました。

小説でありながら、まるでドラマを見ているような描写力が素晴らしい。オススメの一冊です。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 18点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 19点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点

【読後感】爽快感・オススメ度 19点

【合計】94点

初めてのアコム

大きな古時計の替え歌)

「大きなノッポのプロレスラー、ジャイアント馬場

力道山の一番弟子で、とても強かったのさ〜。

今は、もう、動かない〜♬」

 

サラリーマン時代の宴会芸は、これでした。お笑い芸人がやっていたやつのパクリです。

この後、鉄腕アトム(空を越えて〜♪)の替え歌を続けます。

 

「そりゃ、あきまへんな〜。ほなら、金貸しましょう。

そうだ〜アコム〜、ハンコはいらない〜。

心優しい〜顔にダマさぁれて〜

10万、借りたぁら、あとは雪だるま〜🎶」

 

これは、私のお笑いの手口で、みんなが知らなそうなところから拾ってきては、しっかり練習して再現させる。そこそこウケるに決まってます。パクリですけどね。

それにしても、バブル以降の景気低迷期は、サラリーマン金融の評価が落ちる一方で、アコムなんかも苦労していたのを思い出します。

こちらの会社の援軍は、かまいたちの二人による秀吉と家康。う〜ん、大地真央と比べると、胡散臭さが残るなぁ⁉︎

 

愛がいちばん。

消費者金融に勤める会社の人たちは、世間からどういう風に見られているんでしょうか?

2006年に強引な取り立てで金融庁から業務停止命令を受け、その後も利息の過払金請求などの逆風にさらされて、武富士が倒産。アコムやプロミスは、大手銀行と資本提携することで、なんとか首をつないできました。

そんな中、アイフルだけは独自の経営で難局を乗り越えたのです。

それに大きく貢献したのが「そこに愛はあるんか〜」の大地真央だというのは衆目の一致するところでしょう。

業務内容には全く触れず、徹底したクリーンなイメージ作りは、騒動前のチワワと清水章吾のCM路線から繋がるもので、蚊取り線香金鳥と並んだコマーシャル上手の二大勢力だと思います。

それにしても、大地真央68歳の妖艶さは同世代の女優と比べても群を抜いており、これぞスターというオーラをビンビンに出し続けています。

で、ネットで検索してみたら、最初の結婚相手が暴れん坊将軍マツケンサンバだと知って、二度ビックリ。アントニオ猪木倍賞美津子カップルを凌ぐ、ド派手な組み合わせです。プラス極にプラス極をつなぎ合わせても機能しないと思うんだけど、10年以上も続いていたのが不思議な気もします。

自宅で二人っきりでテーブルに向かい合って食事する光景を想像するだけで興奮するなぁ。変ですかねぇ?

 

観察力

先日行われた『R1グランプリ』では、密かに応援していた街裏ぴんくが予想に反して優勝しました(2/12のブログ参照)。

ホラ吹き漫談という独自のスタイルを貫いてきた苦労人なので、その良さが伝わったのはお笑いフリークの私としては嬉しいのですが、審査ってとこに引っ掛かりを覚えました。

評価なので、いろんな見方があるのは分かるんだけど、審査する限りはその軸をハッキリさせて、良かった点や物足りなかった点を明確にコメントできなければ、資格がない。好き嫌いの発表の場にしてはいけないと思うのです。それじゃあ視聴者と同じレベルになってしまう。

審査員となった人は、笑いを類型化した上で、それぞれの違いについて敏感でなければいけません。場の設定、言葉のチョイス、話の展開、オチの大きさ、観客の反応など、見るべきポイントがたくさんあるし、その中に長所や短所が混じり合っている。演者がどこに一番エネルギーを注いだのかを見極めることが、良いコメントに繋がっていくのだと思います。

コメントがしょぼい人は、自分を客観視できない人なんだと思う。すべっているのに気付いていないイタい人。

コンテストは今回からキャリア制限が撤廃されて、先輩芸人を審査するようなケースも出てしまっていたけれど、これが会社だったら年下の部下がいるなんてのは当たり前であり、シビアな評価基準を持ちながら、面接の上で人事考課を行っている。普通のことなんです。だからこそ、私は見てますよの観察力が上司に求められており、それができないと無能だと陰口を叩かれるのです。

先輩はいるものの、上司がいないのが芸人の世界。昔は師匠が大勢いたんですけどね。今は、耳が痛いことを言う人がいない。言う習慣がない。

『R1グランプリ』が今ひとつ跳ねないのは、審査員こそ、コメント力の能力主義で選んでいないからだと思うのであります。

 

新外国人野手

続いて今季新入団の外国人野手を見てみましょう(名前の前のABCは、独自の能力査定です)。

 

Aオドーア(巨人)        30歳 1,154試合 4,424打席930安打 269四球 1,045三振 178本塁打 打率.230

Sアギラー(西武)        33歳 795試合 2,658打席594安打  235四球 622三振 114本塁打  打率.253

Aレイエス日本ハム)      28歳 548試合 2,078打席468安打  172四球 635三振 108本塁打 打率.249

Bディカーソン(中日)      33歳 339試合 1,001打席230安打  81四球 204三振 40本塁打 打率.255

Bスティーブンソン(日本ハム)29歳 273試合 489打席105安打  39四球 134三振  8本塁打 打率.243

Bコルデロ(西武)       29歳 251試合 797打席157安打  66四球 278三振 27本塁打  打率.217

Bレイノルズ(広島)      33歳 225試合 528打席109安打  45四球 163三振  7本塁打  打率.229

Cトーマス(オリックス)    29歳 29試合 78打席18安打  6四球 29三振 1本塁打  打率.250

Cシャイナー(広島)      28歳 メジャー経験なし

 

ひと昔前は、日本の球場が狭く、外野守備も重視されていなかったので、ブンブン振り回すパワーヒッターがもてはやされておりましたが、投手のレベルが急速に上がったこともあって、そういうタイプはDH制のないセ・リーグで絶滅しました。パ・リーグに求められる外国人野手に求められているのは、試合を決める一発ってことでしょう。

相対評価である打者の場合、慣れるまでに時間がかかるため、絶対評価の投手よりも少しだけ寿命が長い傾向も見られるものの、20代の選手が求められており、マイナーリーグでの成績がほとんどアテにならないというのも定説となりつつあります。

そんな中、S評価は西武のアギラー一塁手です。メジャーでは、5回も二桁本塁打を記録しており、2018年に35本塁打をマークしているのはダテじゃない。穴が少ないのでライオンズのカラーにぴったりハマりそうです。

普通に考えると、2016・17・19年の三度にわたって30本塁打を記録した巨人のオドーア外野手の方が上なんだけど、ここ数年の落ち込みが激しく、打率が2割ちょっとで確実性に欠ける。何より性格的に問題があるとの札付きで、外野手がダブついたジャイアンツでは、起用をめぐってトラブルが予感されます。

レイエスは、ギリギリでAランク。2019・21年にそれぞれ30本塁打を放っています。年齢的にも充分期待できそうです。

あとの選手はレギュラーでの出場自体が難しいと思います。せっかく大枚を叩いたからと言って深追いすると、傷が大きくなるかもしれません。そのへんの見極めが難しいところ。

むしろ、20代前半の選手を育成契約で連れて来て、日本でじっくり育てるというのが、最近の流れとなってきました。その方がコスパがいいというのが最近の共通認識となりつつあります。

新外国人投手

今季の順位予想をする前に、新入団外国人戦力をメジャー時代の成績で比較してみました。

まずは投手から(名前の前のABCは、独自の能力査定です)。

 

Aバーヘイゲン(日本ハム) 33歳 206試合 18勝12敗30H  281、2回 115与四球 234奪三振 防御率4、98

Aウィック(DeNA)     31歳 146試合 6勝10敗20S16H  146回 66与四球 160奪三振   防御率3、82

Sマチャド(オリックス)  30歳 137試合 7勝3敗18H  148、2回 57与四球 120奪三振   防御率4、48

Bコルデロ(ロッテ)    32歳 114試合 6勝7敗21H  115、2回 42与四球 99奪三振   防御率4、36

アブレイユ(西武)    28歳 108試合 6勝5敗1S 8H  135、2回 78与四球 136奪三振   防御率4、58

Bハーン(広島)                      29歳 101試合 12勝15敗 1S 5H   237回 108与四球 227奪三振   防御率5、35

Cゲラ(阪神)                  28歳 61試合 3勝1敗 5H    63回 43与四球 45奪三振   防御率6、43

Cフェルナンデス(ロッテ) 27歳 50試合 1勝1敗3H  54回 35与四球 47奪三振   防御率5、17

Bケイ(DeNA)                       29歳 44試合 4勝2敗3H  85、1回 47与四球 88奪三振   防御率5、59

Aハッチ(広島)                      29歳 39試合 4勝4敗 6H  69回 33与四球 61奪三振   防御率4、96
Bマーフィー(日本ハム)        28歳 35試合 0勝3敗5H  39、2回 20与四球 38奪三振   防御率4、76

Aジャクソン(DeNA)             27歳 26試合 1勝4敗4S 2H  82、2回 32与四球 76奪三振   防御率4、25

Cヤフーレ(ヤクルト)            25歳 19試合 1勝3敗1S  46、1回 28与四球 35奪三振   防御率7、58

エスピノーザ(オリックス) 26歳 7試合 0勝2敗 18、1回 16与四球 19奪三振   防御率5、40

Bザバラ(日本ハム)                27歳 2試合 0勝0敗 2、2回 1与四球 2奪三振 防御率0、00

エスパーダ(ヤクルト)         27歳 1試合 0勝0敗 1回 2与四球 2奪三振   防御率0、00

ダイクストラ(ロッテ)         33歳 メジャー経験なし

Bヤン(西武)                           27歳 メジャー経験なし

 

まず一つ言えることは、30歳過ぎてからの来日はキツいということです。ひと昔前は、もっと華やかな実績を残した選手たちが、リストラされてやって来る大リーガーのイメージが強かったのですが、プライドが高くなり過ぎていて、環境に適応しづらい点において、不向きだというのが定説となりつつあります。

むしろ、ハングリーさと伸びしろに期待しようとする流れ。性格面も重視されるようになりました。

そんな中から、150キロを超える速球で三振奪取能力が高い投手を先発でなく、リリーフで使おうとするのが共通認識と言えるでしょう。活躍のカギは、スピードよりもコントロールです。

S評価は、オリックスのマチャド投手。昨季、ナショナルズで44試合に登板したバリバリのメジャーリーガーで、最高時速159、8キロ、その直球については二年連続で被打率1割台と安定しています。クローザーとして、タイトルを狙える逸材です。

2020・21年に日本ハムに在籍していたバーヘイゲンは出戻りですが、昨季、カージナルスで中継ぎとして60試合に登板し、5勝をマークしています。マチャドとの差は年齢で、33歳に上り目は期待できなかったのだけど、どうでしょう?

広島のハッチはバランスがいい。多彩な変化球を持ち、大崩れしない安定感があるので、先発陣に加わりそうです。

面白いのは、日本ハムのザバラです。昨季は3Aで53試合に登板して65、2回で103の三振を奪っており、何かの間違いかと思ってしまいました。それでもメジャーに上がれなかったのは、コントロールに難があるのと、巨体ゆえにクィックで投げられないことだと睨んでいます。そういう投手は、過去もほぼ上手くいっていません。コーチの教えに出逢って、変わろうとする努力があれば別だけど、大概はダメなんです。チームに外国人選手が7人もいるので、欠点が目立つ選手はすぐに使われなくなる、そういうもの。でもねぇ?