都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

観察力

先日行われた『R1グランプリ』では、密かに応援していた街裏ぴんくが予想に反して優勝しました(2/12のブログ参照)。

ホラ吹き漫談という独自のスタイルを貫いてきた苦労人なので、その良さが伝わったのはお笑いフリークの私としては嬉しいのですが、審査ってとこに引っ掛かりを覚えました。

評価なので、いろんな見方があるのは分かるんだけど、審査する限りはその軸をハッキリさせて、良かった点や物足りなかった点を明確にコメントできなければ、資格がない。好き嫌いの発表の場にしてはいけないと思うのです。それじゃあ視聴者と同じレベルになってしまう。

審査員となった人は、笑いを類型化した上で、それぞれの違いについて敏感でなければいけません。場の設定、言葉のチョイス、話の展開、オチの大きさ、観客の反応など、見るべきポイントがたくさんあるし、その中に長所や短所が混じり合っている。演者がどこに一番エネルギーを注いだのかを見極めることが、良いコメントに繋がっていくのだと思います。

コメントがしょぼい人は、自分を客観視できない人なんだと思う。すべっているのに気付いていないイタい人。

コンテストは今回からキャリア制限が撤廃されて、先輩芸人を審査するようなケースも出てしまっていたけれど、これが会社だったら年下の部下がいるなんてのは当たり前であり、シビアな評価基準を持ちながら、面接の上で人事考課を行っている。普通のことなんです。だからこそ、私は見てますよの観察力が上司に求められており、それができないと無能だと陰口を叩かれるのです。

先輩はいるものの、上司がいないのが芸人の世界。昔は師匠が大勢いたんですけどね。今は、耳が痛いことを言う人がいない。言う習慣がない。

『R1グランプリ』が今ひとつ跳ねないのは、審査員こそ、コメント力の能力主義で選んでいないからだと思うのであります。