都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

スベリ−1GP

前に「美味しくない飲食店は存在しない」と書きましたが、正確には「ほとんど存在しない」でありまして、実際にはあります。誰もが認める不味い店。そういう店が、意外にも都心の一等地にあったりして、それは親の代から引き継いでいたりするのです。つまり、世襲飲食店。食べ物屋というのは便利なもので、家賃が発生しなければ、あとは生活そのものであり、加えて従業員さえ雇わなければ、経費がかかりません。

人口密集地のロケーションに恵まれると、ときどき間違って入店してくる不運な客もいる。「こういう汚い店が、意外と美味かったりするんだよな」などと、偶然を信じるギャンブラーみたいな人もいますからね。あとは味オンチ。腹に溜まれば何だっていい人もいるにはいます。

お店も流行らないんだから辞めちゃえばいいんだけど、これがなかなか。タイミングを逸してしまうと、辞める決断も難しくなる。周りにいる人だって言えませんよ「この店、不味いから、辞めた方がいい」だなんて。

 

水曜日のダウンタウン』がまたまたやってくれました。日本一面白くない芸人を決める、まさかの賞レース企画「S− 1GP」。本人たちにはシングル−1グランプリ、つまりピン芸人のナンバーワンを決める大会だと説明しましたが、実際はスベリ−1グランプリだというドッキリ企画です。わざとつまらなくするんじゃ、シラけるだけですからね。本気でやってるのに面白くないところに価値があるんだと。

番組では二週にまたがる熱の入れようで、今週は予選を負け(?)上がった『ゆきおとこ』『エンジンコータロー』『ギブ↑大久保』『ジャック豆山』の4人による最終決戦でした。よく考えますよね、こんな意地悪な企画。もちろん、出場者たちにその制作意図を伝えておらず、会場に集められた審査投票権のあるお客さんにも本当のところを知らされていません。特別審査員として招かれたウエストランドもそうで、専門の立場から講評したりさせます。何が良かったかを無理矢理言わせてました。毒舌が売りの人に。念が入ってますねぇ。このへんの細かいところにも抜かりがない。意地悪の最上級って感じがひしひしと伝わります。

で、賞レース2本目のネタも、それぞれ信じられないくらいのスベリっぷりでした。面白くなさすぎて、逆に面白い。いや、事情を知らない観客は、表情をこわばらせておりました。わざとつまらない芸を見せるんじゃなくて、本気でやりきった上でのスベリ芸。いずれもがピン芸人なので「もう、辞めよう」と言う相手がいないのが悲しい。当然のごとく全員独身で、これまた「もう、辞めて」がありません。ブレーキのない車が怖いということを改めて学んだような気がします。

そうかそうか、結婚して家族を持つってことは、自分を客観視できるからいいんですね。止めてくれるのがいい。好きなだけ飲んでるような生活態度ではダメなのであります。