都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ニッポンの大問題

「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチフレーズで、テレビの全盛期に先頭を走っていたのがフジテレビでした。

民放の中では後発だったため、チャンネルが8へと追いやられていたので、リモコンがない時代の手で回すしかない、1チャンネルから始まる受像機では不利がいなめません。だからなんでしょう、失うものがない追う者の強みから、タブーなしで若手に実験的な番組作りを奨励し、どんどんヒットを飛ばして、一気にトップへ駆け上がったのです。

その後、日テレがあっさり盛り返しました。現場の人間が論功行賞で偉くなると、ポッカリ穴が空いてしまうんだなぁと思ったものです。

フジの凋落に合わせて、首をもたげたのがテレビ東京です。そもそもの視聴率目標が低かったので、むしろモチベーションが上がったのは皮肉な話ですが、野球で言えば前年ビリだったけど今年は5位を目指すんだとすれば、それはイケそうだと思う、そういうもの。優勝じゃなくて、最下位脱出を目論むテレ東が往年のフジテレビのように勢いあるチャレンジングな番組作りを行い、ときたまホームランも打つようになったのです。

制作サイドで躍進を支えていたのが、佐久間宣行と高橋弘樹、二人の名物プロデューサーでした。

佐久間宣行は、ご存知のとおり。今や番組のMCを務め、CMにも出演する多才ぶりを発揮しています。

高橋弘樹は、自社で制作する番組だけでなく、YouTubeにいろんな可能性を見出して、『Re:Hack』というネット番組を立ち上げた人物です。

そのときの話題の人物を呼んで、西村博之と成田悠輔が舌鋒鋭くツッコんでいくスタイルは斬新で、人数を絞った『朝まで生テレビ』のような討論形式が、一定の支持層を呼び込みました。地上波では、スポンサーの顔色を窺いつつ、時間的なことも含めていろんな制約を受けますが、ネット環境の中ではうんと自由に表現できるってのがいいんです。しかも、視聴者数さえ伸びれば収益性も高いということを証明し、めちゃくちゃウケていたものの、その存在が大きくなったため、親会社である日経新聞幹部の知るところとなり、多くの訴訟を抱えるひろゆきの起用にストップがかけられたようです。だけど、上意下達のルールは、自由人には通用しませんからね。結果、番組終了で本人は退職してしまいました。佐久間宣行が退職後も同局の仕事を続けているのとは対照的です。

 

『集中講義 ニッポンの大問題』(日経テレ東大学著・日経BP)は、高橋弘樹が辞める前の最後っ屁のような形で出版されています。

同書に収められているのは、菅義偉猪口邦子玉木雄一郎片山さつき泉健太与野党五人の政治家との討論です。現代日本が抱える諸問題についての政治的な処方箋があるのかないのか、分かりやすく説明されていて、高校の教科書で使いたいぐらいの充実ぶりが素晴らしい。たくさん勉強になりました。