都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

嘘をついたのは、初めてだった

基本的に営業の仕事のほとんどが嫌いです。

それは、お客様に平気でウソをつくから。

「お似合いですよ」のマヌカンの言葉を信じているなんて、どうかしてます。

「この物件は、お買い得です」ってのもいかがわしい。だとしたら、お買い得だらけになってしまう。

軽自動車のCMに出ている役所広司が、それに乗ってるとは思えないし、浜田雅功出前館を使ったことないと公言しておりました。

「消防署の方から来ました」ってのもそうだけど、世の中はウソで溢れています。

他人の赤ん坊のほとんどはサルみたいだけど、「カワイイ」と言うのがルールなんです。面倒臭いねぇ。


『嘘をついたのは、初めてだった』(講談社)は、29人の作家たちによる6〜7ページ程度の短編集で、いずれもが最初の一行を「嘘をついたのは、初めてだった」で始めている企画モノです。

なるほど、世の中はウソが満ち溢れているので、いくらでも広げられるってのが分かります。一行目が一緒でも、そこからの展開は29人29色でした。けど、面白いかどうかは別で、文体や表現が合わない作家もたくさんおりました。

そんな中で、赤川次郎は別次元であると思わせてくれます。原稿用紙10枚程度の文字量なのに、きっちりオチをつけて。競作ってのは比べられてしまうので、手を抜かないのがトップランナーの矜持であります。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 20点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 15点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 16点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 17点

【合計】85点