都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

GOLD BOY

脳科学者である森昭雄は、その著『ゲーム脳の恐怖』(NHK出版)において、小さい頃からコンピュータゲームをやり続けていると、脳内のベータ波が著しく減退すると論じています。ベータ波の顕著な減退傾向は、認知症患者にも見られるパターンで、脳の情動抑制や判断力の重要な機能を司る前頭前野に深刻なダメージを与えるというのです。

この研究については、むしろ否定的な意見が多いものの、ゲーム漬けで育った人間は、他者への思いやりという点において欠落しがちなような気がします。自分への関心は強いんですけどね。傷つきやすく、傷つけやすい。知らない人に声をかけられたら、無視しなさいなんて教えられているのも関係あるのかも。

 

今週の映画鑑賞は『GOLD BOY』でした。

岡田将生演じる主人公が、崖の上から義理の両親を突き落として殺害するところからスタートします。しかし、少年たちが偶然その瞬間を録画していたことから殺人犯である主人公を脅迫することとなり、二転三転する駆け引きの末に驚くべき結末が。

原作は中国のベストセラー作家によるもので、これを日本流にアレンジしています。

中学生を演じる子役たちが物語を引っ張っていきますが、それを支える脇役である黒木華江口洋介北村一輝らの演技が絶妙で、スピーディーな展開に目が離せません。先週の『PERFECT DAYS』とは真逆の作品でありました。こちらは、劇中に流れる音楽のセンスが唐突すぎて、怪獣映画みたいだったけど、監督が金子修介と聞いて納得。なるほどねぇ⁉︎

水清ければ魚棲まず

萩本欽一という人は、芸事についてストイックで、お酒をほとんど飲まず、女遊びもしませんでした。

なので、その周囲にいるお付きの人たちは大変です。

名古屋のナントカ座での一ヶ月公演みたいなのがあると、カラッカラの禁欲生活。麻雀が趣味なので、それに付き合わされるものの、いつも一緒というのは、尊敬してる大好きな人であっても息苦しくなったりする。そういうもの。

今はもう亡くなってしまった彼のマネージャーと親しくさせていただいたんだけど、そのストレス発散は、なかなか大変で、大物のそばにいるってことは、そういうことなんだと思っています。

 

大谷翔平が、野球と真摯に向き合い、特に贅沢をするわけでもなく、プライベートに遊びを持ち込まない生活を続けているとなると、それに歩調を合わせるってのが至難だというのは、想像に難くありません。通訳としては破格の待遇だったとしても、それを使う暇がなければ尚更です。

結果、ギャンブルに向かうことになる。

そこそこのお金を持ったら、酒かオンナかギャンブルですからね。そして、ギャンブルの場合、ハイソの世界にはハイソなりの遊び方があるわけです。パチンコとか麻雀は、時間を伴うので、ホントに忙しい人向きではない。そうじゃなくって、お金でヒリヒリしたい人向けのやつ。

当初、大谷が借金返済を肩代わりしたという情報が流れ、慌ててそれを否定したみたいになっていますが、おそらくそれは、懲罰の責任が及ばないようにしたのだというのは誰もが思うところ。本当に迷惑な話でありました。

開幕戦は、ネット裏で両者の奥様が観戦していたけれど、それぞれの思惑はどんななんでしょうね? 配偶者の反応の方が気になるところ。そういうのがメンタル的に影響するのかどうなのか? 幸せの絶頂にいたとしても一寸先がわからないのがまた、人生なのであります。

月下のサクラ

ドラマ『VIVANT』でクローズアップされた公安警察ですが、オープンになっている事象が少なく、謎に包まれています。

だからこそ、ミステリーとの親和性が高く、通常の警察組織に対しても壁になっていたりして興味深い。

日本中に2,000人前後がいるとされていますが、誰が何をどうしているかはほとんど分かりません。

いないでしょう? 知り合いの公安警察官。だけど、それは正体を隠しているだけで、いるのは間違いない。多分ね。

国家レベルの使命を帯びていて、スーパーエリート揃いらしいです。頭が良くて冷静で口が堅い。おそらくは運動神経もいいハズだし、語学も堪能だったりする。だから、滅多にいません。う〜ん、性格はむしろ悪いと思います。愛情とか友情とかを信じていない。余計なことを言わないので必要なことも言わない。喜怒哀楽をほとんど見せないため、一緒にいても楽しくありません。そうか、そっち側から覗いてみると、結構いるのかも。一体、給料はどのくらい貰ってるんでしょうね、そういう人。

 

『月下のサクラ』(柚月裕子著・徳間文庫)は、前作『朽ちないサクラ』に続くシリーズで、県警の捜査支援分析センターに所属する女性主人公が、犬猿の仲と言われる公安が絡んだ事件にぶつかりながら苦悩する姿を描いています。サクラとは、警察内部における公安の隠語で、最近では「ゼロ」などとも言うんだそうです。百人の命のためならば、ひとりの命など顧みない。場合によっては、殺人をも厭わなかったりするのが両者の決定的な違いであり、永遠に交わることがないところです。いやいや、それは常人には永久に理解できませんし、それが理解できる者こそが選ばれし者のようです。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 16点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 16点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 16点

【合計】82点

 

デブ論(2020/5/30分再掲載)

はるな愛とか東尾理子とか、痩せるCMの人は、どういう気持ちなんでしょう?使用前の撮影時の話。失敗することだってあるでしょうし、何より自身の恥部を見せる、それもテレビで。加山雄三神田正輝は、不愉快だと思うな、きっと!?

 

デブ側の人々の多くは、現在を仮の姿だと捉えています。デブは治ると。

このあたり、成績が悪い中学生と同じ。勉強すれば、私だって…。

勉強よりは、ダイエットの方が楽だと思う人が多いかもしれません。そうかなぁ?

 

デブとハゲは、因果関係がありまして、どちらも食生活が絡んできます。

油物ですね。油中心の生活は、毛髪に影響する。よって、太りながらはげていくわけです。同時進行。

やめられませんわな、美味しいものは脂肪と糖でできているので。

ホームラン王は、打点王でもあるのです。

 

これに加え、チビ問題も勃発します。

背が高くて、太っている人は、なかなかデブの称号を得にくい。そういう人は、デカいのです。デブをかき消すデカさ。

チビの場合、そうはいきません。チビとデブには、親和性がある。

かくして、可能性が出てきました。チビ・デブ・ハゲの三冠王。くーぅ、五冠王も夢ではない。

 

タイトルが一つだけならば、個性の枠に収まるものの、重なるとちょっと厄介です。

なので、大食い番組なんぞに惑わされてはいけません。たくさん食べていいのは、育ち盛りまで。

グルメを気取るなら、質ですよ、量ではない。

 

おおたにが来た!

【問題】

次のうち、実在する村はどれでしょう?

1)チロリン

2)八つ墓村

3)チャーザー村

 

【答え】

3のチャーザー村が正解です。

う亡くなった林家こん平師匠が『笑点』で、「チャラ〜ン」と言いながら名乗っていたので、デタラメだと思っていたのですが、本当にありました。千谷沢村と表記します。正確には1957年に吸収合併されて、今は長岡市になっているそうですが、師匠は本当にこの村の出身だったとのこと。いつもふざけていると、本当のことでも信じてもらえないんだと今さらのように気付きました。

 

大谷翔平が韓国へやって来ました。昨年末に右肘の手術をして、今季は投手として投げられないという事情を抱えながら、打撃に影響がないなんてホントですかねぇ?だとすれば、トミージョン手術でシーズンを棒に振る投手はみんな、その年をバッターとして過ごせばいいのにと思ってしまいます。会社だったら、そう指示すると思います。違うかな?

 

すなかぶり

相撲のテレビ中継では、カメラの位置が固定されているので、審判員である親方のそばにいると、ずっと映っていることになります。

野球のネット裏なんかと違って土俵の近くにいるため、ホクロの位置まで確認できる。もはや、その周りは登場人物の一人です。それを気にし出すと、やたら気になる。取組みはスローモーションで再現されるので、余計に目立ちます。ありませんからね。バラエティ番組以外で、スロー再生され続ける素人。カメラなんて意識していないので、表情はスキだらけです。結構恥ずかしい。

 

先日は、際立って目を惹く和服の美女が、これまた金持ち丸出しの紳士の隣りにいて、出勤前の同伴みたいになってました。

なかなか見かけませんからね、アラフォーの和服の女性。二人に戸籍の関係がない場合、それはそれで探偵物語であったりします。

いるのかな、嫁さんと一緒に相撲観戦する人。まぁ、どうでもいいんだけど。6時終わりのイベントは、夜が長いのであります。

奔流の海

幼少のみぎり、Sっ気の強い母は、言うことを聞かなかった私に対し、

「お前は本当はウチの子どもではない。橋の下で泣いていたのを拾ってきたのだ。だけど、もう限界。これ以上は育て続けられないので出ていきなさい!」

とリュックを背負わせた上で、その中に缶詰を詰め込みました。しばらくは、これで食いつなぎなさいと。

幼稚園に通う前だったと思いますが、この仕打ちはキツい。体罰よりもメンタルをやられます。必死に涙を堪えながら、絞り出します。

「か、缶切りがありません」

この話、今だったらとんでもない幼児虐待であり、聞かされた側も引いてしまうかもしれませんが、当時の認識では、子どもは親の支配下におかれており、生死に関わるようなことでなければ、結構アリだとされていました。引っ叩く、蹴っ飛ばすなんてのも日常茶飯です。理屈が通じないから、身体で覚えさせる。そういう試練をくぐらせると耐性が出来上がります。腐りかけたものを食べているうちに、簡単に腹を壊さなくなるのと同じような話。まぁ、こんなことを言ってると、相手にされなくなりますけどね。缶詰で鍛えられると、結構いろんなことが平気になったりする。ズレてるのは承知の上です。

 

『奔流の海』(伊岡瞬著・文春文庫)は、幼児期に父親から自動車への当たり屋を強要されていた主人公と台風で父親を亡くした旅館の娘との出会いを通じて、激流に飲まれた数奇な運命を描いています。親ガチャという言葉が浮かびました。最後は伊岡作品としては珍しく、きれいにまとまっています。後味がとても良かったです。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 17点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 15点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 16点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 18点

【合計】82点