都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

月下のサクラ

ドラマ『VIVANT』でクローズアップされた公安警察ですが、オープンになっている事象が少なく、謎に包まれています。

だからこそ、ミステリーとの親和性が高く、通常の警察組織に対しても壁になっていたりして興味深い。

日本中に2,000人前後がいるとされていますが、誰が何をどうしているかはほとんど分かりません。

いないでしょう? 知り合いの公安警察官。だけど、それは正体を隠しているだけで、いるのは間違いない。多分ね。

国家レベルの使命を帯びていて、スーパーエリート揃いらしいです。頭が良くて冷静で口が堅い。おそらくは運動神経もいいハズだし、語学も堪能だったりする。だから、滅多にいません。う〜ん、性格はむしろ悪いと思います。愛情とか友情とかを信じていない。余計なことを言わないので必要なことも言わない。喜怒哀楽をほとんど見せないため、一緒にいても楽しくありません。そうか、そっち側から覗いてみると、結構いるのかも。一体、給料はどのくらい貰ってるんでしょうね、そういう人。

 

『月下のサクラ』(柚月裕子著・徳間文庫)は、前作『朽ちないサクラ』に続くシリーズで、県警の捜査支援分析センターに所属する女性主人公が、犬猿の仲と言われる公安が絡んだ事件にぶつかりながら苦悩する姿を描いています。サクラとは、警察内部における公安の隠語で、最近では「ゼロ」などとも言うんだそうです。百人の命のためならば、ひとりの命など顧みない。場合によっては、殺人をも厭わなかったりするのが両者の決定的な違いであり、永遠に交わることがないところです。いやいや、それは常人には永久に理解できませんし、それが理解できる者こそが選ばれし者のようです。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 16点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 16点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 16点

【合計】82点