初期のがん保険は、今までの生保にない三つの大きな個性を持っておりました。
一つは、昨日説明した無制限保障。
そして、保障が一生続く終身保障。
3つめが、妻と子供を面倒みる家族保障です。
C I(コーポレートアイデンティティー)によって、社名がアフラックとなったのは2017年のことで、それまではアメリカンファミリーという名前で呼ばれていました。
保険会社の名称とは、年号だったり、企業グループの名前だったり、それ自体に意味のないところばかりでしたが、アフラックの社名はファミリーという商品コンセプトを含んでいて、このことも企業イメージをプラスに導いていたように思います。
マーケティングの常識として、あらゆる業種に共通するのは、ボリュームゾーンである団塊の世代に働きかけること。
がんが死因のトップとなった昭和56年に、団塊世代は34〜36歳であり、ちょうど結婚して子供が産まれるころでした。
彼らにとって、月に2,000円程度の保険料で、妻と子供をまとめて保障するというのが魅力的なわけです。
ちなみに、社名変更が行われたのは、アメリカの生命保険会社が二千社近くあり、社名もアメリカン何とかというのが多かったため、区別がつかなくなってしまう。そのためのコーポレートアイデンティティー。キャラクターをアヒルにしたのは、クワックワッという鳴き声がアフラックに似ているからで、これも見事にハマりました。
契約が長期間にわたると死別や離婚などで家族構成が変わり、トラブルのもとになるので、今でこそ新規の家族契約はできませんが、成熟期を迎えるまでのこのスタイルは、大きな武器となっていたのです。
妻の年齢や子供の人数に関係なく、家族契約としての保険料を設定するなんて、のどかな時代でありました。
(つづく)