バブル期に、証券や不動産に顧客を奪われた銀行は、生命保険と組むことで挽回を図ろうと考えます。
それが一時払いローンという仕組み。
当然のことですが、生命保険の保険料を契約時に全納すれば、大きなお金が必要です。これを銀行が肩代わりして払い、顧客にはローンを組んでもらう。担保は保険そのものなので、問題はありません。つまり、銀行は生保を切り口に顧客に借金をさせるわけで、生保はじっとしていて契約が舞い込んでくるってこと。安易だねぇ。だけど、これが上手くいくってことで、大ブームとなりました。
それもこれも、生命保険がその利回りの高さから、保障としてではなく、金融商品として扱われていたからです。
預金セットのノウハウを武器に、アフラックは銀行の子会社を通じて、ここでも先陣を切っておりましたが、ある日、方針を180度転換します。
Don't take risk a lot,for a little.
アメリカ本社の指示により、勢いに乗っていた営業サイドにブレーキがかかりました。
現場の落胆をよそに、喜んだのは類似商品を抱えたライバル生保です。受け皿を失った銀行に攻勢をかけ、アフラックから奪うように勢いを増していきました。
しかし、バブル崩壊後の金利低下は、高金利を約束した商品を多く抱えることが、そのままリスクとなります。真似した生保は、そのまま潰れたり、吸収合併されたりで、悲惨な末路です。
どうなんでしょう。あのとき、本社の指示がなければ、どんどん突き進んでいったように思います。
経営というものは、ちょっと離れたところから冷静に見る目が必要だということ。
論語には、こういう言葉があります。
「利を見ては義を思う」
保険会社は冒険してはいけないのであります。