競合他社が現れないまま独占状態で9年が経過したがん保険ですが、商品が売れ続けたことよりも、もっといいことがありました。
それは、法人代理店を独り占めできたこと。
その当時、生命保険の代理店は、一社専業を義務付けられておりました。損害保険は複数社と契約するのが当たり前だったけれど、生命保険は最初に締結した一社とのみに縛られます。商品が複雑で覚えにくいとか、契約期間が長期にわたるっていうこともあるかもしれませんが、生保のおばちゃんたちの職場を荒らしたくないというのが一番でしょう。
業界の常識は、販売ルートを代理店に求めていなかったので、市場開拓は無人の野を行くがごとし。上場企業の子会社は、軒並みアフラックの代理店と化していきました。笑っちゃうのは、大手生保の子会社までアフラックの代理店契約を結んだこと。八百屋さんに大根を売りに行って、買ってもらう。それが、がん保険でした。
その後、独占が解かれ、他社が参入してきたがん保険は、商品ができたものの販売する術がない。大口の契約が見込める大手企業は、すべてアフラックの軍門に下っていたのです。
(つづく)