プロ野球で使用するバットについて、重さについての規程はありません。
ところが、高校野球で使われている金属バットは、900グラム以上とするように決められています。
だから、プロ野球選手よりも重いバットを振っている高校生がたくさんいるんです。
なぜ、そうなったかと言えば、危険防止のためでした。
高校野球に金属バットが導入されたのは、1974年のことでしたが、年々打球のスピードが上がり、ライナー性の当たりで野手が危険に晒されるようになったのです。そこで、2001年に重量に関する規程が加わり、現行の900グラム以上となりました。
これを追うように、トレーニング方法が変化。筋力アップが最大のテーマになったのです。
金属バットで打つと、芯を外しても打球が面白いように伸びていくので、パワー合戦に持ち込むチームが増加していきました。
だけど、このスタイルをそのまま持ち込んでも、打ち方が違うから、木製バットのプロ野球では通用しません。
二年前のドラフト会議では、大阪桐蔭高校の根尾遊撃手・藤原外野手・報徳学園の小園遊撃手と三人の高校生に11球団の指名が集中しましたが、揃って不振に喘いでいるのは、打法が合わないからで、仕方がないことなんです。
適応できるようになるまでは、時間がかかる。それまで我慢できるかどうかが問われています。
それと、指導者の問題もありますね。本人が納得したうえで打法改造させるには、技術だけでなく、コーチの人間性も関係してきます。
ドラフト会議で高校生の野手を指名するのは、その後のことを考えた覚悟が必要なのであります。