草野球の試合の相手は、ほとんどの場合が初対面なので、お互いにデータがありません。
だから、重要なのは、スコアブックをつけることです。
自軍のデータを残して、シーズン終了後の納会の際の表彰選手を決めるためってのもありますが、もう一つは相手選手の特徴をザックリ掴む材料にします。
例えば、最初の打席で三振している打者は、繰り返すまいと肩に力が入っています。なので、その選手が次の打席に向かったとき、さりげなく「さぁ、もう一丁、三振ね!」とピッチャーに声掛けする。すると、投手はボールゾーンへ逃げるようなカーブを投げる。引っかかります。そういうもの。その打者が、2ストライクに追い込まれたら、カモです。「ズバッといこう!」とか「曲げてやれ!」とか、何だっていい。
打球の方向についても傾向があります。
草野球で、広角に打ち分ける選手はマレなので、前の打席と同じような結果になることが多いんです。
だから、そのとき飛んだポジションの自軍選手に対し、声を掛けます。「ショート、行くよ!」そのことで、打球を受けた後をイメージさせるのです。準備を強化させる感じ。それと、チーム全体に、記憶を呼び起こさせます。ベンチからでも試合に参加できるんです。
(つづく)