都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

湯を沸かすほどの熱い愛

週末のU-NEXTでは、宮沢りえ主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)を観ました。

この作品は、日本アカデミー賞で主演女優賞ほか六部門を受賞していたにも関わらず、それほど話題になっておりません。

ポスターを始めとする広告宣伝にお金をかけていないのもありますが、何と言っても日活ロマンポルノのタイトルかと思うほど、直接的でひねりがない題名で損をしていると思われます。

監督であり脚本を手がけた中野量太氏は、ほかに『バンザイ人生まっ赤っ赤』とか『ロケットパンチを君に』とか『チチを撮りに』などの作品を残しておりますが、どうもそのへんのセンスには恵まれていないようです。だけど、映画の販売戦略上は、ここが重要。シネコンで当日に観る映画を決める人も沢山います。また、多くの文学賞受賞作品が出版化される前に、タイトル変更している事実からも明らかです。

なんか、店構えが汚ったないことで損しているラーメン屋みたいな感じ。ホントは美味しいのにねぇ。

監督の周囲に漂う貧乏臭さは、ポリシーとさえ感じさせるものがあります。

 

とは言え、作品の力強さは超一流。宮沢りえ杉咲花オダギリジョー松坂桃李らの演技の巧さもさることながら、あちこちに伏線が張り巡らされたテンポの良い展開と人間愛に溢れたストーリーに魅了され続けました。これは凄い。

結末について、否定的な意見もあるでしょうが、そこは好みの問題です。

久しぶりに、喜怒哀楽すべての感情を湯を沸かすほどに揺さぶられました。

95点。まだ観ていない人は、是非!!