パラリンピックの奥深さは、選手たちが自身の障害を理解し、工夫を凝らして、持てる力を最大限に発揮するところにあります。
例えば、水泳では障害の部位によって水の抵抗が異なるので、自分の体に合った泳ぎ方を見つけた選手が強いと言われています。
また、走り幅跳びの場合、義足をつけたら誰でも簡単に飛べるわけではありません。義足の進化に合わせて、それを使いこなすための筋力や技術力が必要となります。
そして、マラソンの視覚障害者は、伴走者と息の合った連係を生むために、長い時間をかけて両者の関係性を作っていくことが大切です。フォームまでがシンクロする姿は芸術的ですらあります。
メダルの数のような結果に囚われがちですが、その過程を見ながら考えるところに、大会の価値があるように思います。
パラリンピックの父と呼ばれるルードウィッヒ・グッドマン博士は「失ったものを数えるな、残されたものを最大限に活かせ」と言いました。
前を向いて力強く生きているパラ・アスリートたちは、この言葉を胸に刻んで闘っています。