都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

ノケモノノケモノ

オリンピック開幕直前に、開会式演出の責任者である小林賢太郎が解任されたのは、23年前に演じたコントの中で、ユダヤ人虐殺を揶揄するようなシーンがあったことをほじくり返されたことによるものです。

このコントは、お笑いユニット・ラーメンズNHK番組『できるかな』のパロディとして、いろんな遊びを提案する中に出てきた話で、そんなことはやっちゃいけないという例として取り上げているんだけど、不適切だと言われれば、その通りで反論の余地はありません。ただし、決してそれを肯定的に捉えたものではないことと、20年以上前の倫理観としては、それほどにはみ出した表現だと思われていなかったことは付け加えておきたいと思います。

ラーメンズの二人は、独特の世界観を体現していて、井上ひさしの舞台を見ているような言葉のチョイスで観客にも一定水準以上の理解力を求めており、そのへんは立川談志に通じるところでもあります。小林氏は、作家としての才能にも溢れており、これからの活躍が期待されていただけに、とても残念です。

 

ラーメンズのコントはYouTubeで観ることができますが、私は小林賢太郎演劇作品から『ノケモノノケモノ』をお薦めします。

タイトルからして言葉遊びが始まっておりますが、小林氏は作品の中で、人間のことを

「みんなから特別だと思われたくて、みんなと一緒じゃないと不安な生き物。自分のことがわかりたくて、自分のことがわからない生き物」

だと定義しています。

こういうの、嫌う人もいるんでしょうが、彼は観客に言葉を反芻(はんすう)させて、一拍置きながら考えさせるという独特の手法を持っているのがユニークなんです。即効性のある笑いよりも、後からじわじわくるような脳内に映し出す笑い。ついて来られない人は、置いていきます。

それでもよければ、覗いてみてください。ハマるかもしれませんよ?