中学の日本史のニシムラ先生は、授業の進行の副読本として旺文社の『よくわかる日本史』(和歌森太郎著)を使っており、その本の中のエピソードを引用していました。
偶然、それを書店で手にしていた私は、先生が使っていたネタをこっそり笑いながら聞いていました。面白いですよ、進行が予想できる授業。なるほど、こんな風に話せばウケるんだと。日本史の授業は、事実を伝えるだけでなく、何故そんなように考えたかを教えることです。
歴史を記憶ではなく、物語として語るのが重要だというのが、教育に目覚めた瞬間でありました。
本郷和人氏の『やばい日本史』(ダイヤモンド社)は、勉強に興味が薄い人を歴史に惹きつける良書です。
いわく、
「日本で初めて王になった女性は、実は引きこもりのおばあちゃんだった」
「さえわたる頭脳で日本の政治システムを作った聖徳太子は、上から目線で隋の皇帝をキレさせた」
「大ベストセラー源氏物語を書いた天才作家紫式部は、清少納言に夫を馬鹿にされてブチ切れる」
「戦国の世を勝ち抜き平和な江戸幕府を作った徳川家康は、武田信玄が怖すぎてウンコを漏らした」
なるほど、偉人にもこんな一面があったとして身近に感じてもらう。学習する動機付けとなるわけです。
そんでもって、続編が『さらにやばい日本史』。
いわく、
「知的な戦略で1,200年続く藤原氏の元祖になる中臣鎌足は、アイドルと結婚して自慢しまくる」
「ケンカでのしあがり日本初の武家政権を作った平清盛は、おかっぱ少年スパイ軍団を作り、自分の悪口をチクらせる」
「キレキレの作戦で豊臣秀吉を連勝させた天才軍師黒田官兵衛は、頭が良すぎて秀吉に嫌われる」
「押しの強さで引きこもり日本を開国させたペリーは、若見えにこだわりかつらをかぶるがモロバレする」
などなど。
週刊文春的学習法なのであります。
これはこれであると思います。