中学受験の日本史学習レベルでは、平安時代の文学作品として、源氏物語=紫式部、枕草子=清少納言と丸暗記します。
試験では、それ以上を聞いてこないからで、そういう学び方だと興味が湧かないし、知識も深まりませんでした。
本当は、この時代に文字が読める人がどれくらいいたかとか、書き付ける紙をどうしていたかとか、何故女流文学なのかとか、不思議がいっぱいあるわけです。教科書がない(?)中で、勉強する人がいただなんて。ん、先生ってどんな感じ?学校は?親の教育方針は、どんなだろう?
源頼朝より、少し前の話です。北条政子の存在を唐突に感じておりましたが、案外、当時は女性の方が教育レベルが高かったのかもしれません。
先日、暇つぶしに立ち寄った書店で『本日もいとおかし!!枕草子』(小迎裕美子著・KADOKAWA)に出会いました。
女子・ド共感の平安コミックエッセイが謳い文句、つまりは漫画本ですが、いやいやなかなかどうしてどうして。
少しばかり衝撃を受けました。
国内初のエッセイ集とされるそれは、「春はあけぼの…」なんて出だしが有名ですが、中身はナンシー関(今だったらマツコデラックス)張りの毒舌スタイルで、多くの民が文字が読めないのをいいことに、吐きまくっています。セクハラもコンプラも関係なくディスりまくり。こういうのを教材に古文を勉強したら、楽しい授業だったろうなと思います。
ちなみに「草子」とは読み物のこと。「枕」は諸説あるけど、備忘録となるべく枕元に置いたというのが有力だそう。
ご本人は、生き別れのバツイチで、再婚した夫がいながらも恋愛は奔放らしく、文春砲がないのをいいことにご活躍のようでした。
当時は、男尊女卑と言うよりもむしろ竹取物語みたいな争奪戦があったのかも、と想像が膨らみます。
うーん、当時のポジションを与えられた女性は、結構いい気になって、男の品定めをしてたのかもしれません。そこはかとなく、いとおかし。