ひと昔前、監督は生え抜きのスーパースターがなるものと決まっていました。
現役時代の実績が第一で、加えてチームを象徴する人気者がなるものであり、リーダーとしての資質みたいなのは関係なし。
論功行賞のような位置付けで、双六の上がりみたいなもんです。それは、球団がオーナーのおもちゃみたいな存在だったからで、赤字でも関係ないとする平和な右肩上がりの時代の話でした。
近ごろは、そんな悠長なことが許されず、経営の視点から短いスパンで結果を求められるようになっています。
そこで、監督としての能力が見極められるようになり、特に過去のキャリアが重視されています。
何となく分かってきたのは、管理職としての経験。複数球団に所属したのは良いことで、それがメジャーリーグであれば、なお良し。そして、二軍経験の有無。下積み時代があったのは良いことだし、二軍監督もバカにできない。オリックスとヤクルトは、その成功例と言えるでしょう。
12球団でメジャー経験者は、高津・石井・井口・新庄。二軍監督経験者は、高津・矢野・三浦・中嶋・藤本・辻です。
選手時代も含め、ほとんど二軍にタッチしていない原辰徳と立浪和義は、時代遅れ、時代錯誤なのであります。
その流れで言うと、ヘッドコーチに松井稼頭央を据えて、次期監督としての体制を整えた西武ライオンズからは、いろんな意味でビジョンを持って動いているのが見えてきます。GMとして、台湾野球を経験した渡辺久信元監督がいるのが大きく、しっかりしたチーム編成を行なっているのがわかります。
昨年のドラフトで、隅田・佐藤と計算できる二枚のサウスポーを獲得したのが大きく、今年の投手陣は期待できそうです。高橋・今井・渡辺とドラフト1位で指名した高校生たちが順調に育っているので、先発が安定していることから有利に試合を運べそうです。ゲームプランを立てやすいってこと。行き当たりばったりにはなりません。
打線は、昨年こそ萎んでしまったものの、潜在力はリーグ1。パ・リーグの中で、キャッチャーが打つチームは、スキがないのです。
主力の森・源田・外崎・山川が26〜31歳で、最も輝くときを迎えました。
あとは、外国人次第。ここしばらく、外しまくってますからね。カブレラ、デストラーデとは言わないけれど、オグレディ、ジャンセンのどちらかがハマれば、充分に優勝を狙えるチームだと思います。ちゃんとしてるのが、西武ライオンズなのであります。