都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

恒例 順位予想(セ・リーグ編)

1位 広島

2位 巨人

3位 阪神

4位 ヤクルト

5位 DeNA

6位 中日

 

先週のテレビ東京の『出川哲朗プロ野球順位予想』という番組で、各球団を代表する芸能人12人が集まって、それぞれのチームを応援するプレゼンテーションを行っていました。その上での順位予想です。

これを観ながら、なるほど、ファンや評論家の予想が当たらないのは、チームの有するエネルギーの総量を比較しているからだと気付きました。実際にグラウンドに立てるのは、9人でしかないのにベンチ全体で考えようとする。ビシエドのいる一塁に、中田翔中島宏之を連れて来るような話です。つまり、言いたいのは1+1=2にならないってこと。打撃本位で捉えると、守備や走塁を軽視した編成になってしまうのです。

戦力を考える上で最も重要なのは、チーム全体としてのベクトルの方向性が一致していることです。だから、それを率いる監督の人間性が大事なのであって、選手をあからさまに腐すようなトップはダメ。最近は、特にそういう傾向が強まっています。かと言って、言うべきことをハッキリ主張しなければ、舐められてしまう。難しいですね、そのバランス感覚が。選手時代に二軍で苦労した経験を積んでいたり、誰かの下についてコーチとして勉強していたり、他球団で文化の違いを学んでいたりするような、そういうキャリアが望ましいんです。海外の野球にチャレンジした実績には得難いものがあったりして、そういう意味でヤクルトの高津監督やプロ野球会の選手会長を務めたカープの新井監督が、今どきの望まれるリーダーです。

 

個別に見ていきましょう。

まず、1位に掲げた広島カープ。ベクトル系のチームである代表です。

強いチームには、打てる捕手と遊撃手がいるものです。2つのポジションは、守備力が優先されるので打力に難があるケースが多いなか、坂倉将吾と小園海斗は侍ジャパンですからね。これはもう、折り紙付き。西川龍馬の穴が大きいとされる外野のポジションにも、もう一人の代表選手である田村俊介と昨年台頭した末包昇太の新しい力が加わりました。うまい具合に新陳代謝が働いていると言えるでしょう。投手陣は、九里亜蓮・床田寛樹・森下暢仁・大瀬良大地の先発四本柱に加え、黒原拓未・玉村昇悟・森翔平の左腕トリオが腕をぶしており、層の厚みを感じます。

2位はジャイアンツにしました。キャッチャーは大城卓三だし、ショートには門脇誠がいるし、丸佳浩・岡本和真・坂本勇人と並ぶ打線は本塁打が出やすい東京ドームと相まって迫力満点です。しかしながら、メジャーから引っ張ってきたオドーア選手がいけません。そもそもは二塁手であったのを外野で起用することで、秋広優人の出番がなくなりました。萩尾匡也・浅野翔吾の新戦力も使えない。梶谷隆幸・松原聖弥・オコエ瑠偉・重信慎之介・長野久義はどうするのでしょうか?何よりの問題は、オドーアが大リーグ時代に有名なトラブルメーカーだったってとこ。アンチベクトル系の選手なので、相当数のゲームを犠牲にするように思います。オコエ瑠偉だって、なかなかの不満分子なのだから。どうもジャイアンツには、チーム一丸のイメージが湧きません。実績あるコーチだらけってのも、新任の阿部監督の悩みの種となるでしょう。

3位は阪神タイガースです。チームの体質とでも言いましょうか、この球団に連覇した実績はありません。岡田監督やそれを支えるスタッフが、いずれも高齢者だということも、精神面を含むスタミナ・持続力に疑問が残ります。昨季の反動もあるでしょう。村上頌樹・大竹耕太郎・才木浩人らのポッと出が、2シーズン続けて活躍するイメージが湧かないのです。若手の突き上げが見られないのも問題で、主力選手が怪我すると、層の薄さが露呈してしまいます。下手をすれば、Bクラス転落もあると思います。

4位はヤクルトスワローズ。このチームの強みは、歴代の外国人選手にほとんどハズレがないことです。スカウトの眼が確かだってのもありますが、通訳が優秀なんです。それは、ベンチ入りする野手の人数も関係します。考えてみてください。異国の地でほとんど言葉が通じない中で、試合に出ているならともかくも、調子を落としてベンチにいる姿を。そういう一日の流れの中で、沈んでいくプレーヤーがたくさんいます。そこのところを補うのが通訳の存在です。それを理解しているのが球団のフロントであり、大リーグ経験者である高津監督なのです。三冠王の村上宗隆は、後続打者によって成績が左右されますが、オスナとサンタナの成績次第では、Aクラスも充分に考えられます。ただし、優勝には届きません。先発投手が足りないからです。奥川恭伸はどうしちゃったんでしょうか?

5位はDeNAです。バウアーに今永昇太の2人が抜けてしまっては、どうにもならないでしょう。戦前の予想では、度会隆輝・石上泰輝と二人の新人を戦力として計算に入れておりますが、当ブログで何度も書いているように、最近の球界ではシーズン通して活躍する即戦力の新人野手は、ほとんど存在していないのが実情なんです。ましてや、度会選手は高校卒業後3年の社会人からの選手。同期の出世頭はカープの田村俊介で、二年前にドラフトされた同期のほとんどが二軍のままです。社会人経由の度会が、プロ経験組を上回るだなんて、とてもとても思えません。そう考えると、打線の迫力がそれほどでないことが分かります。怪我で離脱する常習者のオースチンが、一人ぼっちの外国人プレーヤーであるのもマイナス材料です。ただし、新戦力が育ちつつあるので将来に向けては明るい。三浦監督の次(石井琢朗を希望)に期待しています。

最下位は、中日ドラゴンズ。ここは、監督が圧倒的にヘボだからです。リーグ屈指の先発投手陣を抱えながらも勝てないのは、野球が下手だから。守備や走塁を後回しにすると、ツケが回ってきます。ヒット3本だけでは点にならないってこと、そろそろ気が付かないといけません。細川成也・中田翔・石川昂弥みたいなのがクリーンアップにいると、局面が動かなくなって、ひたすら打つことだけを願うようになる。こういう野球がホームランの出にくい本拠地球場にマッチしないのです。二遊間に起用する選手をコロコロ変えるのもよくない。センターラインを固定させるのは、強いチーム作りの基本です。そういうところが分からないと、同じことの繰り返しになります。投手が最少失点に抑えながら白星がつかないと、批判の矛先が監督コーチに向いて、チームがバラバラになる。これも、反ベクトル型のチームなのであります。