都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ちむどんどん

私が通っていた広島の安芸幼稚園では、折り紙の時間と同じように木琴が必修科目(?)になっていました。

楽器としては結構難しいと思うんだけど、子供ってのはやらせればできるもんで、みんな器用にバチ(マレット)を捌いていたように思います。

この木琴を運ぶ際にカバーが付いていまして、男の子用はブルー、女の子用はピンクでした。中身は同じだけど、ランドセル的な発想ですね。

で、私には二歳上の姉がおりました。二年保育だったので、重なることはありません。それで、私の入園に合わせて、新たな木琴が買い与えられるようなことはなかったのです。姉のをそのまま引き継がされた私は、コソコソと木琴を運ぶようになりました。

ある日のこと、担任のクボタエコ先生は、何を思ったのかみんなの前で突然に、

「ケン君はえらいわねぇ、おねえちゃんの使ってるのねぇ」

と言い出しました。

もちろん、先生に悪意はありません。ピンクカバーの木琴を使う私のことを健気に思ったのでしょう。文句も言わず、親の言うままに従う子供。

生涯忘れない、恥ずかしい瞬間でした。今だったら、どうってことないんだけど、幼稚園児はメンタル弱いですからね。涙が出ていたような。

 

朝ドラの新シリーズ『ちむどんどん』は、NHKプラスを導入したことで、簡単に観られるようになりました。

序盤戦は、沖縄の貧しいきょうだいが、いじめっ子に貧乏を揶揄されるところから始まります。なんだか木琴のことを思い出し、切ない気持ちになりましたが、当時の子供たちは貧富の差について言及することはなく、見て見ぬふりをしていたような消極的な優しさがあったとも思います。

むしろ、マイナスが大きいほど、その後のプラスの振れ幅がでっかくなって、喜びが増すようなところがある。

うん、感性を豊かに育てるには、勉強クラス最下位とかかけっこビリとか千羽鶴が折れないとか、どん底のマイナスを知っていた方がいい。そんな風に思ったりしました。

ちなみに、ちむどんどんとは、胸がワクワクする気持ちのことだそうです。

ワクワクしないのは、幸せすぎるからかもしれませんね。