自分の保有する競走馬に「アケミタンポポ」なんて名前をつけるなんて、面白すぎると笑ってしまいました。
これが事件が起きたときの最初の感想です。中身についてよくわかっていませんでした。2001年1月に発覚した外務省機密費流用事件のことです。世の中は大混乱に陥りました。
時系列を整理しましょう。
1995年1月 阪神淡路大震災
1995年3月 地下鉄サリン事件
1998年6月 自社さきがけ政権解消
1998年7月 小渕内閣誕生 野田聖子が37歳の若さで郵政相就任
2000年4月 小渕総理が脳梗塞で倒れ、五人組の密室談合で森内閣誕生
2000年7月 沖縄サミット開催
2001年1月 外務省機密費流用事件発覚
2001年2月 えひめ丸事件
と、こんな感じ。政治に役者が揃っていました。今とは全然レベルが違います。
料亭が重要な舞台であったし、官官接待なんてことも非難を浴びていました。
そんな情勢の中で起きたのが外務省機密費流用事件で、政治のお金の流れについて、どこまで詳らかにするかのせめぎ合いでもあったのです。
このあたりを克明に描いたのが清武英利の『石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの』(講談社)ですが、私はWOWOWドラマでの視聴をオススメします。
佐藤浩市と江口洋介の熱演ですが、こんなに面白いドラマを見たことがありません。ほとんど事実に即したノンフィクションドラマであるとの触れ込みです。十年以上経過したからこそ、明らかにできたこともあるんでしょうね。まさに、事実は小説よりも奇なり。スゴかった。