映画だとかドラマでは、非日常が演じられます。
「そんなわきゃねーだろ」の連続。
これを不自然でなく見せるのが脚本の力であり、演者の力だったりするのです。
朝ドラの『ちむどんどん』では、極貧の家庭で育った山っ気の強いろくでなしの長男が、定職につこうとせず、視聴者をイライラさせます。
これを演じているのが竜星涼という役者です。
NHKには、視聴者がクレームが届くほどのクズっぷりで、本当にいるかのように思われているその演技力は大したものだと思います。実際は、スラッとした二枚目の好青年なのに、そんな風に演じられるのは顔芸の賜物で、番組では高嶋政伸と並んで物語にアクセントをつけています。
『鎌倉殿の十三人』では、大泉洋と小池栄子。『半沢直樹』では、堺雅人と香川照之。漫画みたいなストーリーに顔芸は欠かせません。
なんてことを書いたのは、週末に『バックトゥーザフューチャー』を観たから。
これは、『スターウォーズ』でも思ったのですが、アメリカの代表的な映画には、これぞスターというような美男美女が意外に起用されていないように思います。
それよりも、表情の濃いことが好まれる。
奇想天外なストーリーが進んでいく場合、ビックリした顔が相応しく、それが画面の活性化に繋がっていくような気がするんです。純粋な二枚目は、そういうのが苦手ですからねぇ。
いや、書きながら適当に考えているんだけど、だんだん本当にそう思うようなりました。Mr.ビーンがわかりやすい。
素人のお笑いの手法で、自分から笑うってのがありますが、芝居についてはビックリする演技ってのが実は重要なんじゃないかなぁ?